日本経済・企業・国民を救済する最大の方法が「消費税の引き下げ」である

日本経済・企業・国民を救済する最大の方法が「消費税の引き下げ」である

菅首相は消費税を引き下げるかゼロにせよ。『成長戦略会議』とか何とかで竹中平蔵やら三浦瑠麗やらデービッド・アトキンソンみたな人間を集めて下らない政策をあれこれ議論するより、消費税を引き下げていく方がよほど簡単であり、効果が高い。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

消費税が5%になった1997年で日本経済は「成長を止めた」

菅義偉首相は2021年1月18日の施政方針演説で、政治の師である梶山静六氏から、このように言われたと述べた。

『少子高齢化と人口減少が進み、経済はデフレとなる。お前はそういう大変な時代に政治家になった。その中で国民に負担をお願いする政策も必要になる。その必要性を国民に説明し、理解してもらわなければならない』

これは、要するに税金を上げるということを示唆したと世間は捉えた。折しもコロナ禍で政府の支出は大幅に増えている。今後、私たちは「税金が上がっていく」ことを念頭に置かなければならない。手取りは減り、生活はなおのこと苦しくなる。

少子高齢化が放置され、非正規雇用者がどんどん増え、内需は縮小する一方で、国民の手取りも減り、イノベーションをも生み出せない社会となった日本で、税金だけが上がっていく。

成長がなく税金だけが上がる国はまさに地獄である。

高度成長期の日本の経済成長率は平均9.1%だった。オイルショック以後の経済成長率は平均4.2%だった。しかし、1991年以後の経済成長率は平均1.0%に落ちていった。個人消費が減退していくようになったからだ。

日本の経済を牽引していたのは内需なのだが、個人が消費しなくなって内需が20年以上経ってもまったく戻ってこないのである。

その理由はバブル崩壊によって資産価値が縮小したから、という理由もある。しかしそれだけでない。個人消費を減退させた大きなイベントが1989年にあった。

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日本経済を復活させるために何をすべきなのか?

個人消費を減退させた大きなイベント。それは消費税である。消費税が取り入れられてから日本経済は内需拡大ができなくなった。当初3%だった消費税は1997年に5%になって、ますます日本経済の復活の芽は潰された。

名目GDPを見ると、消費税が5%になった1997年で日本経済は「成長を止めた」ことが見て取れる。はっきり言おう。日本が経済的に成長できない国になったのは「消費税」という史上最悪の経済政策が取り入れられたからだ。

ゆえに日本を再び経済大国にしたければ、真っ先にやらなければならないのは「消費税」の撤廃である。私は消費税を撤廃するという力のある政治家がいれば、その人が誰であれ全面的支持をする。

日本が復活できるかできないかは、消費税を撤廃できるかできないかにかかっているからだ。日本経済を復活させるには、どうするのか。簡単だ。消費税を引き下げるか、撤回していけばいいのである。

コロナ禍で人々の収入は痛んでいる。だから、なおさら消費税は引き下げる必要があるのである。しかし、今の日本政府と財務省がやっていることは真逆である。どんどん消費税を上げようとしているのだ。

消費増税というのは「消費したら罰を与える」という政策なのだから、罰を与えて消費が拡大するわけがない。経済は萎縮するばかりで、それが企業にも個人にもダメージを与える元凶と化す。

消費税は日本経済を押さえ付け、経済成長を阻害している最も有害な経済政策なのである。そうであれば、何をしなければならないのかは誰でも分かる。「消費税」の撤廃である。

一時金給付金を出すよりもずっと行政に負担がなく、しかも国民が平等に恩恵を受ける政策である。

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消費税を完全にゼロにするという政策で誰も損をしない

日本の経済政策は行き詰まっている。金融緩和も行き詰まり、停滞を余儀なくされている。今の日本政府は、もう日本の成長や内需の拡大はあきらめているように見える。ただ現状維持をダラダラと続けているだけだ。

やれることはないのか。

ある。「消費税10%を5%に戻す」と決断するのだ。もっと過激にやるのであれば「消費税を完全にゼロにする」と決めるのだ。

それによって税収が減って大変なことになると言う話にもなるが、消費税が撤廃されることによって消費が拡大していけば企業収益も増えるので税収はむしろ増える可能性がある。

内需も拡大させることができ、株価も日経平均3万円など簡単に超えてさらに上昇し、日本を再び経済成長させることができるので、悪いことは何ひとつない。税収減で一時的な財政悪化があったとしても、日本経済が大復活したら倍になって返ってくるのだから問題はない。

企業にとっても、法人税を下げてもらうよりも、むしろ内需をとことん拡大して利益を上げる環境にしてくれた方が俄然やる気が出るわけで都合がいい。

国民も消費税が下がるか撤廃されることによって、賃金が同じでも消費しやすくなるわけで、消費税の引き下げは大歓迎である。

こうした決断を行った政権は歓迎され、国民の支持も盤石になり、さらなる長期政権も望める。

「消費税10%を5%に戻す、もしくは消費税を完全にゼロにする」という政策は、誰にとっても損をしない。財務省がそれを反対するというのであれば、日本のために財務省を解体してしまえばいい。どのみち、今の財務省は日本の役に立っていない。

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消費税を引き下げていく方がよほど簡単であり効果が高い

日本は内需を拡大させることができれば、すべての問題を解決できる。まず日本企業が復活する。日本人の貧困や格差も緩和する一因となる。経済成長率も再び4%台に引き上げることすらも可能になる。

経済成長が4%にもなれば相当な内需拡大だ。そこから実質賃金も上昇するようになり、若者の貧困も、女性の貧困も、緩和されるようになる。日本の絶望的な少子高齢化の問題も改善に向かっていく。

そうなれば資産価値も増大するので、投資家が動いて前倒しで不動産価格も株価も上がっていく。もし日本政府が「消費税を5%に戻す、あるいはゼロにする」と言い出したら、私でさえすぐに日本の優良企業に全力投資するだろう。

コロナ禍による苦境、あるいは今後の内需拡大のためにどうすればいいのか管首相も日銀総裁も分からないというのであれば、「さっさと消費税を撤廃しろ」と誰か伝えられる人がいれば伝えるべきである。

菅首相は『成長戦略会議』とか何とかで竹中平蔵やら三浦瑠麗やらデービッド・アトキンソンみたな人間を集めて下らない政策をあれこれ議論するより、消費税を引き下げていく方がよほど簡単であり、効果が高い。

日本はワクチン接種が大幅に遅れている国だ。コロナ禍の収束が遅れれば遅れるほど経済が悪化する。消費税の引き上げやらコロナ復興税などで税金を上げたら日本経済は撃沈しかねない。

逆をしなければならない。日本経済・企業・国民を救済する最大の方法が「消費税の引き下げ」なのである。

菅政権はその政権基盤を盤石にするためにも、そして日本経済の復活のためにも、「消費税を引き下げ」を早急に決断した方がいい。菅首相がそこに気付くことを願っている。

『政治家の覚悟 新総理の原点 国民の「当たり前」を私が実現する(菅 義偉)』

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