【寄稿】ギャンブル依存症から回復するには?15年のギャンブル生活から抜け出した方法=jyunipapa

【寄稿】ギャンブル依存症から回復するには?15年のギャンブル生活から抜け出した方法=jyunipapa

パチンコ依存を描いた拙著『どん底に落ちた養分たち』だが、この書籍の中の第八章「養分からの脱却」の項目で取材協力して下さったジュニパパ(jyunipapa)さんが、パチンコ依存に関しての原稿を寄稿してくれました。依存からの脱却、リアルな対策をお読み下さい。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

なぜ、こんなにも生活を変えることができたのか?

●本記事を書いた人
『ギャンブル依存症からの人生逆転ブログ』 jyunipapa(ジュニパパ)
https://jyunipapablog.com


パチンコ・スロットや競馬・競艇・競輪などのギャンブルにハマり、ギャンブル依存症となって借金地獄に陥り苦しんでいる人が日本にはかなりの割合で存在します。

そして、その人たちの多くはギャンブル依存症から回復できずに苦しい借金地獄の末、命を落としてしまったり、家族や周りの人間に多大な迷惑をかけ、人生を破綻させるケースが後を絶ちません。

僕もかつてその末路を歩んだ人間の一人です。しかし、そんな状態にまで落ちた僕も、今ではギャンブル依存症から回復し、ごく一般的な生活を取り戻すだけではなく、これまででは考えられないような生活を送っています。会社員をやりながら副業に挑戦し、毎日ビジネス本を読み漁ったり、YouTubeやラジオで音声学習をする日々を送るようになりました。

なぜ、こんなにも生活を変えることができたのか。
結論、ギャンブル依存症から回復する為の対策を徹底的に実践してきたからです。

今回は、その対策法について詳しく書いていきたいと思います。

ギャンブルを本気でやめたい、でもどうしてもやめられずに苦しんでいるギャンブル依存症当事者やその家族の為に少しでも役に立てればと思います。

ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

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ギャンブル依存症から回復する為の対策とは?

冒頭でも話したように、僕がギャンブル依存症から回復できた理由は、ギャンブル依存症から回復する為の対策を徹底的に実践してきたからです。

結論、その対策とは、物理的対策と心理的対策の二つになります。

この二つの対策は、どちらかだけでは効果はなく、両方の対策を同時に実行していくことでその効果を最大化させることができます。

簡単に説明すると、物理的対策によってギャンブルができない環境を構築し、心理的対策により根本からギャンブルから離れる思考を身に付けるということです。これは、おそらく精神病院などでギャンブル依存症の治療をする際に行われている方法に似ていると思いますが、それを普段の生活に取り入れる感覚で捉えてもらうとわかりやすいかと思います。

ですから、この方法を実践するには必ず協力者が必要です。
病院では、医師や看護師がいるように、家庭では家族やパートナーなど自分の身近な人の協力が必要になります。
本人から依頼するか、もしくは家族やパートナーが強制的に取り組むのが良いです。

とにかく1人でギャンブル依存症から回復することはほぼ不可能なので、必ず協力者を探しましょう。

では、それぞれの具体的な対策についてみていきましょう。

物理的対策とは、

・現金を持ち歩かない
・現金、キャッシュカード、クレジットカードを管理してもらう
・給料明細、源泉徴収票を隠してもらう
・ギャンブル動画を見ない
・ギャンブル場に近づかない

心理的対策とは、

・カウンセリングを受ける
・自助グループに参加する
・勉強(一般教養、ビジネス、趣味など)をする

ギャンブルを一度でもやめようと考えたことがある人にはおなじみの内容になっているかと思いますが、重要なのは3か月から半年ほど徹底的に行うことです。

正直、最初はかなり苦しい思いをします。
当事者も家族も精神的に消耗することは間違いないです。

しかし、当事者がギャンブルができなくて苦しいのは最初の数週間だけで、上記の対策を継続していけば、逆にギャンブルすることに罪悪感を感じるようになります。結果、ギャンブルをやめられます。

そして、当事者がギャンブルをやめ始めれば、家族も少しづつ安心を取り戻していけるでしょう。

では、それぞれの対策について深堀りしていきます。

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徹底的にギャンブルができない環境を作り上げる

先ほども話しましたが、この対策で重要なのは、徹底的に行うことです。例えば、現金を持ち歩かないというのは、本当に0円で生活することを指します。また、キャッシュカードやクレジットカードも絶対に渡してはいけません。

こんなことを言うと、「現金がないと生活できない」「もしもの時はどうするんだ?」などの反論が出ると思いますが、今の時代、現金をまったく持たない生活は容易にできますし、キャッシュカードやクレジットカードを持ち歩かなくても支障はないはずです。

電子決済やプリペイドカードが普及していて、コロナの影響で飲み会などの人付き合いも以前に比べ圧倒的に減っているからです。

お金があったらギャンブルをする。それがギャンブル依存症です。少しでも現金を持つことでギャンブルをしてしまうなら、その原因であるお金を絶つということは当たり前のこと。しかし、ギャンブル依存症当事者やその家族は、なぜか簡単にお金を持ったり、持たせたりしてしまう。やるなら徹底的にやる。これが重要なんです。

次に、給料明細や源泉徴収票についてですが、これは借金させない為の対策です。

これらの書類は、消費者金融や銀行カードローンの申し込みの際に必要になるケースがあったり、借入限度額の増額申請にも使ったりします。提出しなくても借り入れできる場合もありますが、これらがないことによって借入限度額が少額になることもあるので、かなり重要な書類になります。

原本をコピーして提出することもできるので、できればギャンブル依存症当事者の手に一切触れることがないよう注意した方が良いです。

ギャンブル動画を見ないやギャンブル場に近づかないに関しては、少しやり過ぎだと思われるかもしれないが、スマホを管理したり、GPSで居場所を確認するなどの対策があります。

ここまで管理するのは、お互いのメンタルが消耗するのであまりお勧めはできませんが、必要があればやはり対策するに越したことはないでしょう。

以上のように、物理的対策を徹底すればするほど、ギャンブル依存症はギャンブルから離れることができます。ただ最初に話したように、これだけではギャンブル依存症から回復するには不十分なんです。

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自助グループと自己啓発で根本的な考え方を変える

繰り返しになりますが、ギャンブルから物理的に離れ、その空いた時間に心理的対策をとることで、より確実にギャンブル依存症から回復していくことができます。

その心理的対策としてまずやるべきは、精神保健センターや病院の精神科でカウンセリングを受けたり、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)と呼ばれる自助グループに参加することです。

特に、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)の効果は高いと言われていて、多くのギャンブル依存症当事者が回復のきっかけとしています。

GAの良さは、同じギャンブル依存症で悩む仲間と繋がることができるところにあります。そして、言いっぱなし聞きっぱなしの環境で、自分や仲間の体験談を共有することで、自己肯定感が高まり、それがギャンブル依存症からの回復に繋がるんです。

GA以外では、ツイッターもギャンブル依存症の仲間と繋がれる場ではありますが、個人的にはリアルな場の方がより効果が高いと思っています。

しかしながら、自助グループへの参加に前向きになれないギャンブル依存症当事者は多いです。理由は、ギャンブル依存症は否認の病気と言われていて、本人がギャンブル依存症であることを自覚していないからだと考えられます。

「自分は病気じゃない」「あそこは病気の人が行くところだ」「あんな人たちと一緒にするな」と頑なに自助グループへの参加を拒みます。

そんな時は、精神保健センターや病院の精神科でカウンセリングを受けることをおすすめします。

カウンセラーや医師の診断により、ギャンブル依存症であることを告知されることで、自分は病気なんだと認識する方も多くいます。

次に、心理的対策として勉強(一般教養、ビジネス、趣味など)をするという対策がありますが、実はこれこそがギャンブル依存症から回復する最大の要因になると考えています。

理由は、ギャンブル依存症になる原因は、勉強不足であることがほとんどだからです。

例えば、ギャンブル依存症になる人はギャンブルは勝てるものだと思っています。しかし、これは少しビジネスについて学習していればそんな幻想を思い描くこともないんです。ギャンブルは勝てないことがわかったからといってギャンブルをしないわけではないですが、少なからずギャンブルにのめり込む確率は下がるでしょう。

その他にも、新たな趣味に挑戦することで、ギャンブルでは得られない充実感や達成感を得ることができるのでおすすめです。

一度ギャンブル依存症になってしまうと、ギャンブル以外で満足感を感じることができなくなっています。それを解消するためには、毎日の生活の中で常に新たな情報を取り入れていくことが効果的です。

以上のように、自助グループへ参加したり、自己啓発によって自分の知識を深めることで心理的にギャンブルから離れることができるようになります。

こうした対策を自分の生活の中に定着させていくことで、気付いた時にはギャンブルとは無縁の生活を送っているはずです。

事実として、15年という長い期間ギャンブルを続けてきた僕でも、いとも簡単にギャンブル生活から抜け出すことができたんです。今では2年半以上もやめられていますし、ギャンブルをやりたいという衝動すら起きません。

家族やパートナーの協力のもと、徹底的に実践しその効果を体感していただければと思います。

最後に、よくある失敗例について書いていきます。

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ギャンブル依存症は、簡単にやめられると思っているから失敗する

ギャンブル依存症から回復する為の対策について書いてきましたが、おそらく多くの方がこの対策を実践していないのではないかと思います。

その原因としては、

・本人がギャンブル依存症だと認識していない
・ギャンブルはやめようと思えばすぐにやめられると考えている
・今はまだやめなくても大丈夫と思っている

などが挙げられます。

これらの考えを持っている以上、ギャンブル依存症から回復することはほぼ不可能でしょう。

中でも一番危険なのが、いつでもやめようと思えばやめられるという考え方です。理由は単純で、いつでもやめられるから今すぐやめなくても良いだろうと考え、どんどん先延ばしにしていくから。

実際に僕も全く同じ考えをもっていて、気付いたら15年という歳月が流れていました。ギャンブル依存症を甘く見ると、痛い目に遭うばかりか決して取り戻せない貴重な時間を失ってしまいます。

ですから、自分がギャンブル依存症かも?旦那がギャンブル依存症かも?と疑いを持った段階ですぐにギャンブル依存症であることを認めることが大切です。

そして、ギャンブルは簡単にやめられるなんていう甘い考えは今すぐ捨て、強い気持ちでギャンブル依存症から回復する為の対策を講じていくことをおすすめします。

『どん底に落ちた養分たち――パチンコ依存者はいかに破滅していくか(鈴木 傾城)』
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