いま必要なのは「侵略と戦う」と宣言する政治家。日本の敵は強大化している

いま必要なのは「侵略と戦う」と宣言する政治家。日本の敵は強大化している

まだ「日本は侵略されている」という認識を持つ政治家は少数派なので日本は一致団結して国難に立ち向かっているという姿になっていない。「侵略」という現実を直視できている政治家は少ない。今、必要なのは「侵略と戦う」と宣言する政治家なのである。そして、日本に害を為す存在を排除していく政治家なのである。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

マスコミの歪んだ世論誘導

韓国・北朝鮮の反日は建国当初からの既定路線だった。中国は当初はそうではなかった。しかし、1989年の天安門事件で中国共産党政権は追い込まれ、人民の怒りを何とかしなければならなかったので、江沢民国家主席はここで「ひとつの手」を打った。

それが反日路線だった。歴史プロパガンダを開始し、日本を極悪非道の存在に仕立て上げ、人民の怒りを反日にそらして自分たちはスルリと怒りの矛先から抜けた。

中国が反日教育で日本憎悪に明確に動き出したのが1990年代だ。もう数十年も前に、中国は日本を切っていたということでもある。かくして、中国・韓国・北朝鮮という国は、「日本の敵」となっていった。

反日というのは、明確なる「日本人差別」である。国家が主導する異常極まりない民族差別だ。

しかしながら、反日という日本人憎悪を剥き出しにする中国・韓国・北朝鮮が、「日本の敵である」という認識を日本人はすぐに持つことができなかった。

拉致事件を起こした北朝鮮が日本人の敵であるという認識はあったかもしれない。しかし、最初から反日で日本を執拗に貶めていたはずの韓国に、「日本と価値観を共有する隣国」と漠然と思い込む日本人は普通にいた。

それは、なぜなのか。もちろん、各界に潜む内部工作者やマスコミが歪んだ世論誘導をしていたからだ。マスコミは常に中国・韓国・北朝鮮を擁護し、賛美してきた。特にマスコミの韓国賛美は異常で吐き気を催すほどのものだった。

朝日新聞などは韓国を擁護すると同時に日本を貶めることもセットにしていた。従軍慰安婦問題も朝日新聞が火を付けて回ったのだが、これは朝日新聞が事実を捏造して報道し、松井やよりのような人間がそれを拡散していた。

朝日新聞は2014年に「日本軍が韓国人女性を強制連行した」という話は吉田清治という男の捏造ファンタジーであることを認めたが、今なお海外版でそれを公表していない。不誠実だが、それが朝日新聞の姿勢だ。

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日本の3つの敵とは「誰」か?

こういった時代の流れの中で、マスコミを漠然と信じていた日本人もやっと自分たちが「騙されていた」と気付くようになってきた。マスコミは、いつの間にか「マスゴミ」になっていたのだ。

日本人は3つの巨大な敵が日本にあることを、やっと認識した。日本の3つの敵とは誰だったのか。以下の存在である。

1. 中国・韓国・北朝鮮という特定の国家
2. 日本人に潜り込んだ工作者とそのシンパ
3. 日本の世論を歪めるマスコミ

日本人は拉致問題を起こした北朝鮮には強く警戒していても、中国・韓国に関しては「少し価値観が違う」くらいで意識が止まっていた。少なくとも「自分たちの敵」だとは認識していなかった。

しかし、その認識が甘いということを知ることになった。中国・韓国・北朝鮮は、今や露骨なまでに反日を剥き出しにして日本を攻撃している。歴史問題から、領土問題から、経済問題まで、すべてで対立している。

韓国は竹島を自分たちの領土だと声高に言うばかりか、対馬まで自分たちのものだと主張するようになっている。沖縄も中国や韓国の工作員によって日本から引き離されようとしている。

沖縄の地元マスコミは完全に乗っ取られて、偏向剥き出しとなっている。工作員が続々と沖縄に入って、沖縄を日本から切り離そうと画策している。ここで日本人は、やっと「このままでは、日本の領土は侵略される」と気がついたのだ。

日本が油断すれば、周辺国がどんどん領土を侵略してくる。これは「今そこにある危機」なのである。

これまで日本人は「国家が弱体化すれば侵略される」という当たり前のことにまったく無頓着でいた。「侵略なんてされるわけがない」とタカをくくっていた。だから、外部からも内部からも、好き放題に侵略工作をされている。

侵略(インベイジョン)は、もう現実の危機と化した。侵略は宇宙から来ない。隣国から来る。(ブラックアジア:侵略はSF映画のように宇宙からやってくるのではなく、隣国からやってくるのだ

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「3つの敵」が可視化された

中国の危険な動きは今に始まったことではない。中国の日本破壊工作と侵略工作はそれこそ30年も前から行われていた。ところが、中国が危険になったというのをマスコミは伝えなかった。

歴史プロパガンダを仕掛け、反日という日本人差別・日本蔑視に走る姿を、マスコミは伝えるどころか隠蔽さえしていた。

隠蔽するだけではない。2000年代、マスコミは「これからは中国の時代だ」と経営者を煽って、日本企業をどんどん中国に進出させた。

その結果どうなったのか。日本企業が中国に進出する場合、現地企業と合弁会社を作らなければならないのだが、そこで中国は日本企業の技術を盗んで回った。日本側はそれに対して何もしなかった。盗まれ放題になったのだ。

2012年には大規模な反日暴動が起きて日本企業の工場は放火され、デパートは略奪された。それなのに、当時の政治家や経団連は、中国を糾弾することはなかった。

中国だけではない。2000年代に入ってからは、韓国でも反日言動が突出していた。当時の韓国の大統領だった李明博が竹島に上陸し「ここは韓国の領土だ」と言った挙げ句、天皇陛下を侮蔑する発言をも行った。

この時点で、日本は韓国と国交断絶をすべきだったのだが、時の民主党政権は何もしなかった。このような社会情勢の中で、マスコミは何をしていたのかというと、「中国の時代だ、韓流だ」と世論誘導していたのである。まさに言語道断である。

しかし、マスコミがメディアで韓国礼賛をすればするほど反発を受けるようになり、日本政府のふがいなさに激怒した人々がインターネットでも街でも「どうなっているのか。おかしいではないか」と声を上げるようになった。

こういった一連の動きの中で、「3つの敵」が可視化され、多くの日本人が敵が敵であることを共有するようになっている。「中国・韓国・北朝鮮という特定の国家」「日本人に潜り込んだ内部工作者」「日本の世論を歪めるマスコミ」という巨大な敵が日本人の目の前に立ち塞がっていたのだ。

「誰が日本の敵なのか」が明確化されるようになり、日本の草の根から、この「敵」に対する対抗の言論が拡大するようになっている。

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草莽(そうもう)が必要な時代になった

日本の領土を侵犯し、日本の僻地や少数民族を分断・対立させ、国家的危機の際に国家への忠誠心に基づく行動に出る人を叩き落とす。このような工作が、公然と行われている。

敵が敵であることが明確化されたら、防御と対抗措置が生まれる。今の日本は、まさに日本を蝕む3つの敵に対して防御・対抗しようと動き始めている。

中国も韓国も北朝鮮も、そして日本を貶めようとする内部工作者たちも、マスゴミと呼ばれるマスコミも、まとめて信用されなくなった。そして、彼らはあからさまに嫌悪されるようになった。

「インベイジョン」という言葉は、「侵略」という意味もあれば「侵蝕」という意味もある。日本は「侵略」と「浸蝕」という敵対行為を仕掛けられている国であるという認識を持って、対抗措置を打たないと日本に未来はない。

中国は毎年、莫大な軍事費を積み上げており今や年間19兆円近くが軍事費として使われている。民間企業も兵器開発に協力し、官民一体となった軍事態勢を構築している。

アメリカに次ぐ軍事大国となって、チベットもウイグルも内モンゴル自治区も香港も飲み込み、インドの国境も侵食し、南シナ海も実効支配しようと画策し、一帯一路戦略で世界各国の途上国を経済的植民地にしている。

侵略(インベイジョン)は、映画や小説やゲームだけの話ではないのだ。

しかし、まだ「日本は侵略されている」という認識を持つ政治家は少数派なので日本は一致団結して国難に立ち向かっているという姿になっていない。「侵略」という現実を直視できている政治家は少ない。

今、必要なのは「侵略と戦う」と宣言する政治家なのである。そして、日本に害を為す存在を排除していく政治家なのである。

かつて、国家的危機の際に国家への忠誠心に基づく行動に出る人のことを草莽(そうもう)と呼んだ。「3つの敵」が日本を覆い尽くす危険な時代となった。今こそ草莽(そうもう)が必要な時代はない。

『目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画(クライブ・ハミルトン)』

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