侵略はSF映画のように宇宙からやってくるのではなく、隣国からやってくるのだ

侵略はSF映画のように宇宙からやってくるのではなく、隣国からやってくるのだ

現在の日本は悪意を持って中国から侵略(インベイジョン)を「仕掛けられている」と考えてもいい。尖閣諸島や沖縄については目に見える形なので、日本人も危機感を抱く。しかし、やっかいなのは日本人の民族的な弱点を突いて行っている謀略の方である。内部からの侵略が日本人には見えないし、気づかないし、気づいても止められない。どういうことか?(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

日本もまた侵略の標的である

中国共産党政権の行動原理は「侵略(インベイジョン)」である。そのことにアメリカもオーストラリアも気づくようになった。トランプ大統領は最初から中国の本質に気づいている大統領だった。

だからこそトランプ大統領は徹頭徹尾、中国をアメリカから切り離すための政策を断行し続けていた。

中国に対する報復関税、ファーウェイ・ZTE・TikTokの排除、中国に進出したアメリカの多国籍企業の帰還要請、中国人留学生・研究者の制限、工作活動拠点となっている中国総領事館の閉鎖、中国企業の株式上場廃止の検討、孔子学院の閉鎖……等々、トランプ大統領の成果は見事だった。

一方の日本と言えば、まるで他人事のように米中の対立を見ているのだが、中国共産党政権の本質が侵略なのであれば、日本もまた他人事ではないのは確かだ。いや、他人事どころか日本こそ危機感を持つべき国だ。

日本もまた中国の侵略の標的であるのは間違いないからだ。

中国では、国が率先して反日教育をしている。日本人のことを彼らは「日本鬼子(リーベングイズ)」「小日本」と侮蔑するが、これは幼稚園の頃から日本人にはそう言えと叩き込まれる洗脳でもある。

憎悪が教育の中に組み込まれているのだ。

それで全員が日本人を嫌いになるわけではないだろうが、あえて日本人を好きになる人は減る。素直な性格であればあるほど、教育通り日本人を憎むことになる。事実そうなっており、それこそが「教育の成果」でもある。

当然、それは強固に身に染みついたものだから、日本に対する基本姿勢は「日本をつぶせ」「日本を破壊せよ」「日本を侵略せよ」というものになるのは当たり前だ。様々な手段で日本を叩き潰したい、侵略したいと願うようになる。

【金融・経済・投資】鈴木傾城が発行する「ダークネス・メルマガ編」はこちら(初月無料)

侵略を「仕掛けられている」のが現代の日本

日本人は中国で反日教育が続いていても、それが日本人差別であると声を上げなかった。本来、このような反日教育が中国の国内で広がっており、江沢民国家主席がそれを推進していたという事実は、マスコミが日本人に広く知らしめるべきだった。

中国は1995年の「抗日戦争勝利50周年」から、反日に邁進するようになった。マスコミは知っていたが、そんな危険な「反日教育=日本人差別教育」が勧められていたことを日本人に知らせなかった。日本政府もまた何の抗議もしなかった。

そのため、日本人がそれを知った時はもう手遅れになっていた。

1990年代から反日教育が行われてきたということは、要するに30年かけてじっくりと日本人が悪人だという洗脳をしてきたということである。反日(日本人差別)はすっかり定着していたのだ。

もちろん、中国人がみんな日本人を見たら襲いかかってくるわけではない。逆に中国政府の教育に疑問を抱いて、日本人に対して中立的な立場で見る人もいる。100%の中国人が反日であるというのは間違っている。

たとえば、評論家の石平(せき・へい)氏は常に日本の立場に立って日本を擁護してくれており、氏は日本を愛するあまりに帰化して「石平太郎」という名前になった。

しかし、現実的には中国人の大部分が反日であり、現在の中国政府もまた日本を侵略したいと思っているのは、尖閣諸島・沖縄を睨んだ一連の言動や、大量の中国人を日本に流入させて拠点を作り上げているのを見ても分かる通りだ。(MAGNEWS:中国が画策する日本占領計画の恐怖。”チャイナ団地”はその橋頭堡と気づけ

現在の日本は悪意を持って中国から侵略(インベイジョン)を「仕掛けられている」と考えてもいい。

尖閣諸島や沖縄については目に見える形なので、日本人も危機感を抱く。しかし、やっかいなのは日本人の民族的な弱点を突いて行っている謀略の方である。内部からの侵略(インベイジョン)が日本人には見えないし、気づかないし、気づいても止められない。

どういうことか?

【ここでしか読めない!】『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』のバックナンバーの購入はこちらから。

日本人の利点である「集団主義」が狙われている

日本人は民族的にいくつかの特徴を持っている。

・国民全体が様々なケースで協力的である。
・国民ひとりひとりが責任感を持っている。
・国民の多くが、他人におもいやりを持っている。

こういった特徴は、実はひとつの主義から来ている。それは「集団主義」である。日本人は集団になると、互いに個を殺して集団としての利害に則って動く。これは日本民族の大きな特徴だ。

良くも悪くも、それぞれの日本人は仲間に対して非常に協力的であり、互いに互いをかばい合って目標に向かって邁進する。

仲間に協力的であり友好的であるということは「責任感」が強いということにつながっていく。自分の課せられた仕事は責任を持って貫徹する。そうしないと集団に迷惑がかかるからである。

当然、ひとりひとりが責任を果たそうとして、集団に寄与するので、仲間意識は高くなり、「おもいやり」の心は高度になっていく。「協力的」「責任感が強い」「おもいやりの心を持つ」というのは欠点ではない。むしろ大きな利点である。それが日本の発展に寄与してきた。

では、侵略者(インベーダー)が、そんな民族性を持った日本人を「攻略」するのはどうしたらいいのだろうか。実は、それこそが日本に仕掛けられている工作の中心となるものなのである。

中国人は、言うまでもなく策略で生きていた民族である。中国史に残る多くの兵法は、いかにして敵を欺いて勝つかという策略のノウハウで満ちあふれている。

当然、国内統治でも、国際統治でも、策略のオンパレードであり、日本に対しても日本人の弱点を研究し尽くした策略が推し進められている。集団主義の日本を策略によって破壊するにはどうしたらいいのか。

それは「組織のトップを乗っ取る」か「組織そのものを破壊する」ことで成し遂げられる。集団主義の日本人は、自分の属している組織を信頼し、組織に尽くそうとする。だから、組織そのものを破壊してしまえば、日本人は無力になる。

ダークネスの電子書籍版!『邪悪な世界の落とし穴: 無防備に生きていると社会が仕掛けたワナに落ちる=鈴木傾城』

日本を策略によって破壊するにはどうしたらいいか

組織そのものを破壊と言えば何か難しそうな気がするが、実は組織というのは信頼関係で成り立っているので、その部分が破壊されたら非常にもろい。

たとえば破壊したい組織があれば、そこに工作員を何人も潜り込ませて、日本人の行動とは逆の行動をさせればいい。

日本人が組織の中で「協力的」なら、工作員は徹底的に「非協力的」を貫く。日本人が「責任感が強い」のであれば、工作員は徹底的に「責任を取らず、誰かに押しつける」ような行動を取る。

日本人が「おもいやりの心」を持つのであれば、工作員は徹底的に非情・傲慢になって組織内をギスギスした関係にする。そうすることによって、強固な組織も破壊することができる。組織を破壊するというのは、悪意が最初からあれば難しいことではないのである。

組織の乗っ取りについても同じだ。株式会社であれば、資本力さえあれば、トップの地位を「買う」ことができる。また、何らかの方法で、組織内のトップに潜り込むことができる。

組織のヘッド(頭脳)を乗っ取れば、その下の日本人はすべて意のままに動かすことが可能になる。マスコミ、各企業、官僚組織、行政組織……。

たとえば、社員10万人の会社のトップを乗っ取ることができれば、ひとりで10万人の日本人を意のままに動かすことが可能になる。発行部数800万部の新聞社を乗っ取ることができれば、800万人の読者を誤誘導させることができる。

視聴率20%のテレビ番組を乗っ取ることができれば、2000万人の視聴者を都合良く洗脳することができる。数兆円の予算を動かす官僚組織を乗っ取ることができれば、数兆円を意のままに使い果たすことができる。

もう日本人の弱点、日本の急所は研究し尽くされており、すでに破壊工作は動いているのは見ての通りだ。

中国共産党政権の行動原理は侵略(インベイジョン)である。侵略はSF映画のように宇宙からやってくるのではなく隣国からやってくるのだ。それをしっかりと把握し、それに対抗できないのであれば、日本はもう終わりだろう。

『目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画(クライブ・ハミルトン)』

鈴木傾城のDarknessメルマガ編

CTA-IMAGE 有料メルマガ「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」では、投資・経済・金融の話をより深く追求して書いています。弱肉強食の資本主義の中で、自分で自分を助けるための手法を考えていきたい方、鈴木傾城の文章を継続的に触れたい方は、どうぞご登録ください。

一般カテゴリの最新記事