チャーチルは「平和主義者が戦争を起こす」と警告している

チャーチルは「平和主義者が戦争を起こす」と警告している

(映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』が大ヒットしている。このチャーチルは自国を恫喝する当時のナチス・ドイツに一歩も引かなかった政治家だ。中国・韓国・北朝鮮に恫喝されている日本がどうすべきか参考になる。改めてこの記事を読んで欲しい。「平和主義者が戦争を起こす」のだ)

ドイツのナチス・ヒトラーが日に日に強大になっていき、第一次世界大戦の敗戦で失った領土を回復するために、膨張主義を取り始めたのが1935年以降の動きだった。

その中で、ドイツはベルサイユ条約で失ったチェコスロバキアのズデーテン地方を差し出せと周辺国を恫喝し、1938年9月に行われたミュンヘン会議でイギリス、フランス等の首脳たちに結論を出せと迫った。

このとき、イギリスとフランスはヒトラーの恫喝に屈し、「これ以上、領土要求をしないで欲しい」と約束して、ヒトラーの要求を全面的に認める協定を結んだ。

これで、ヒトラーは恫喝に屈したイギリスとフランスを腰抜けだと見なした。そして、これこそが第二次世界大戦を引き起こす「引き金」になった。

恫喝外交を繰り広げるヒトラーに屈し、「平和主義」を取った当時のイギリス首相ネヴィル・チェンバレンは、今ではイギリスはおろか、ヨーロッパの進路を誤らせた首相として記憶されている。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

それは、膨張主義を取る国をつけ上がらせるだけ

「平和主義」を掲げるチェンバレン首相は、恫喝する側のヒトラーから見れば単に「戦争が怖くて腰が引けた、取るに足らない男」でしかなかった。

だから、ヒトラーは1939年にポーランド侵攻を始めた。

このときヒトラーは、「どうせイギリスは、震え上がって何もできない平和主義だから、ポーランドを侵攻しても対抗できるわけがない」と足元を見透かした。

そして、ヒトラーの読みは当たった。イギリスは何もできなかったのである。

後の1940年に首相になるウィンストン・チャーチルは、著書『第二次世界大戦回顧録』で、この平和主義者だったネヴィル・チェンバレンをこき下ろし、このように書いている。

「第二次世界大戦は防ぐことができた。宥和策ではなく、早い段階でヒトラーを叩き潰していれば、その後のホロコーストもなかっただろう」

そしてチャーチルは、膨張主義を取る傲慢不遜な国の前で卑屈に平和をつぶやくことは、ますます膨張主義を取る国をつけ上がらせるだけだとして、このように結論付けている。

「平和主義者が戦争を起こす」

対等な立場でない場合の平和主義は、侵略する側から見れば、虫けらのように弱い存在である。それはひねり潰すことができる存在である。

だから、ヒトラーは何をやっても刃向かって来ない平和主義者を嘲笑いながら、周辺の弱小国を次々と侵略していったのである。

「ならず者」が傲慢な要求を行い、領土を侵略しても、「平和が大事だから」と言って融和策や妥協策でごまかしていれば、傲慢はエスカレートしていき、最後にはもっとひどいことになっていく。

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弱い立場が平和主義を取ると、一方的に殴られる

「ならず者」にとって平和主義者とは殴っても刃向かってこない都合の良い相手である。弱い立場の人間が平和主義を取ると、一方的に殴られるばかりだ。

殴られたら殴り返す能力があり、相手と対等に戦う力がある人間が取る「平和主義」こそが、本当の平和をもたらす。当然だ。殴りにいったら自分も殴られると分かっている場合は手出しがしにくいからだ。

「ならず者」が好むのは、一方的に殴りつけても、まったく殴り返してこない人間なのである。

平和主義者というのは、「殴られても、殴り返さない、殴り返せない」と宣言しているようなものだ。そのために、相手に刃向かう能力のない人間がそれを言うと、ならず者に骨の髄までしゃぶられる。

「平和主義者が戦争を起こす」というのは、最初の優柔不断が、結局は深刻な問題を次から次へと許すことになって、最後に最悪の状況に追い込まれるという意味である。

相手を叩きのめす力のない国が言う「平和主義」というのは、「まわりがどうなっても何もしない」「自分がどうなっても何もしない」という主義である。

世の中は、理性と常識を持った国ばかりではない。「ならず者」と化した国家が必ず存在する。

たとえば、中国・韓国・北朝鮮という「特定アジア」は、激しく日本を憎んでおり、中国は尖閣諸島から沖縄を、韓国は竹島から対馬を、侵略してきている。北朝鮮は日本国内で日本人の拉致して、いまだに事実を隠して日本を恫喝している。

日本のまわりには「ならず者国家」が三つも存在していて、これらの国が工作員を日本国内に大量に放ち、日々工作活動をしているのである。

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平和主義を押しつけて、日本を最弱にする工作

日本を激しく憎み、日本を内部から崩壊させようとして工作員を放っている「特定アジア」の三国は、もちろん日本が防衛できるような国になって欲しくない。そのために、手持ちの工作員を大量動員して、このように叫ばせている。

「平和を守れ、憲法九条を守れ、集団的自衛権に反対、戦争したくない」

彼らの意図は明確だ。日本を侵略するためには、日本ができる限り「弱い存在」でいなければならない。そのためには日本から武力を奪い取らなければならない。

だから、平和主義を日本に押しつけて、日本の武力を最弱にする工作を仕掛けているのである。

平和が重要なのは当たり前だ。本当に平和を望んでいるのであれば、膨張主義を取っている中国や、日本を貶めている韓国や、日本人を拉致してうやむやにしている北朝鮮に向けて、「お前たちは平和を守れ。武装放棄しろ。憲法九条を取り入れろ」とデモしなければならない。

日本だけ一方的に武装放棄していると、日本は「ならず者国家」に何をされても、まったく対抗することができない弱腰国家となっていく。

そして「ならず者国家」を放置することで、最後には戦争が起きるのである。

ウィンストン・チャーチルが言った「平和主義者が戦争を起こす」というのは、今の日本人こそが噛みしめなければならない言葉である。

弱者が平和主義を取るというのは、ならず者に隙を見せるということであり、それがならず者の暴力を増長させる引き金になるのである。

まさに、平和主義者が暴力を招くのだ。(written by 鈴木傾城)

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ウィンストン・チャーチルは、著書『第二次世界大戦回顧録』で、この平和主義者だったネヴィル・チェンバレンをこき下ろし、このように書いている。「第二次世界大戦は防ぐことができた。宥和策ではなく、早い段階でヒトラーを叩き潰していれば、その後のホロコーストもなかっただろう」

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