morlokita_3@3Moriokitaが言っていたことは、100%嘘だった。予言者みたいな口ぶりで私に何かを信じさせようとしたが、ただのペテン師だった。いや、ペテン師というよりも、わけの分からないものを信じて、それを他人に押しつける知能の足りない愚か者であったと言える。(鈴木傾城)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)
気の狂った、頭のおかしい、馬鹿げたツイート
アメリカ時間の2021年1月19日、午前10:00。私は、ツイッターに「今のところ、市場はとても平静だ」という一分を上げた。すると、すぐに「morlokita_3@3Moriokita」と名乗る人間がこのようなツイートを私に送ってきた。
市場が何もかも知ってると思ったら大間違いです
もうすぐ真っ赤に染まります
株の大暴落と超円高で明日の電車が止まります
※投資は自己責任で
たった数行の文章だが、気の狂った、頭のおかしい、馬鹿げたツイートだと思った。ただ馬鹿げているだけでなく、「非常に」馬鹿げている。予言者めいた口調で、断定的に「予言」するその姿勢は看過しがたい愚かさを示しているように見えた。
まず、1行目からしておかしい。
私は単に「今のところ、市場はとても平静だ」と述べただけである。私のこのツイートの意味は「トランプ大統領からバイデン新大統領に変わる節目の日だが、資本主義は動揺なく機能している」という意図で出した。「今のところ、市場はとても平静だ」というのは事実である。
私は目の前で起きている事実を示しているに過ぎない。
ところが、この人物は市場が平静だったら困るのか「市場が何もかも知ってると思ったら大間違いです」と言い出している。つまり、市場は平穏なのは間違っていると言いたいようだ。そして、このように決めつける。
「もうすぐ真っ赤に染まります」
要するに19日中にアメリカの株式市場が大暴落すると主張したいらしい。
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2021年1月19日のアメリカの株式市場は別に何もなかった
この人物がさらにどうかしているのは、「株の大暴落と超円高で明日の電車が止まります」と自信たっぷりに言い切るところである。
なぜそうなのか、どのような経緯でそのような結論に至ったのか、その根拠は何なのかはまったく述べられていない。ただ、「株の大暴落と超円高で明日の電車が止まります」と上から目線で私に意見を押しつける。
結果はどうだったのか。
2021年1月19日のアメリカの株式市場は別に何もなかった。退屈で平穏だった。ドル円の動きも別におかしな動きはなかった。40銭から50銭ほどの円高に振れたが、再び戻したりしているのでレンジ内の動きである。
つまり、この「morlokita_3@3Moriokita」という人物が私に断言した「株の大暴落」も「超円高」も来ていない。本日の首都圏の交通も平常通り動いている。何も変わったことはない。普段と変わらない普通の一日だ。パニックもない。資本主義は1ミリも変わらず普通に動いている。昨日の続きだ。
「morlokita_3@3Moriokita」が言っていたことは、100%嘘だった。この人物は口から出任せを私に押し付けた。予言者みたいな口ぶりで私に何かを信じさせようとしたが、ただのペテン師だった。
いや、ペテン師というよりも、わけの分からないものを信じて、それを他人に押しつける知能の足りない愚か者であるとも言える。
今の日本は中国と違って表現の自由が認められた民主主義社会なので、別に誰がどのような「考え」を持っていても構わない。自分が信じたいものは何を信じてもいい。それこそイワシの頭《かしら》を信心してもいいし、火星人が地球を支配していると信じてもいい。
法に触れず、他人に迷惑をかけないのであれば、自由に何でもやってくれていい。
しかし、私のところに来て「株の大暴落と超円高で明日の電車が止まります」とか、オカルト丸出しのくだらない馬鹿な予言を私に押しつけるのであれば、私は断固としてそれを拒絶するし、そんな人間は一瞬で排除(キャンセル)する。相手にする時間がもったいない。
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根拠もなく期日を断言したら、馬鹿しか信じないオカルトに
ちなみに、私は別に「株の大暴落」が絶対に来ないとは思ったことは一度もない。株は上にも下にも動くのだから、何らかの経済ショックが起これば当然のことながら暴落してもおかしくない。
2020年はコロナショックで3月に市場の大暴落を見たが、こうした暴落はいつでも起こり得るし、今後もどこかで起こっても不思議ではない。コロナショックが誰にも予測できなかったように、次に来るショックも誰も予測できない。
だから「いずれアメリカ株式市場が再び暴落する局面もある」というのは予言でも何でもないので同意できる。超円高についても、やはり同じ理由であり得ると思う。
アメリカの威信が傷ついたり、あるいは周辺国が政治的に動揺するようなことがあったら、逃避の場所として資金が円に流れ込んで、それが超円高を演出することになるシナリオもゼロではないからだ。
つまり、「株の大暴落と超円高」はゼロではない。絶対にあるとは言えないが、絶対にないとも言えないのだ。
しかし、2021年1月19日にそれが起きると断言して、しかも「明日の電車が止まります」みたいな非現実的なことを言われると、途端に話は胡散《うさん》臭くなる。根拠もなく期日まで断言したら、それこそ「予言」であり「馬鹿しか信じないオカルト」の領域に入っていくからだ。
大地震もそうだし、地球滅亡の予言もそうだ。何年の何月何日に大地震が来て人類が滅亡します、日本が沈没します、というのは超絶的に頭のおかしな話だ。
再び日本を揺るがす大地震が来るというのは、私は確信を持っている。日本は4つのプレートが重なる特異な土地の上にあり、今までも何度も壊滅的な地震に見舞われて被害に遭ってきた。
関東大震災もあったし、阪神淡路大震災もあれば、東日本大震災もあれば、熊本大地震もあった。プレートは常に動いており、日本政府は今後「南海トラフ大地震が30年以内に起こる」という予測も立てている。
壊滅的な地震が迫りくる中で私たちは生きている。しかし、「何年の何月何日に超巨大地震がきて日本が壊滅する」という話にあると、途端にホラ話と化す。
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いよいよ生まれているのがキャンセル・カルチャー
「morlokita_3@3Moriokita」は、2021年1月19日に「もうすぐ真っ赤に染まります。株の大暴落と超円高で明日の電車が止まります」と断定した。この時点でこの人物の言っている話は単なるホラ話と化した。
止まった時計も一日に2回は正しい時間を示す通り、足りない頭のホラ話の予言も「たまに」運良く当たることもある。しかし、「morlokita_3@3Moriokita」は運もなかった。大外れだった。
この人物が唯一、予言を当てるためには自分で電車に飛び込んで電車を止めることだが、他人のツイートにコメントで適当なホラ話を書いているような人物なので、そこまでやることはないはずだ。
自分の予言を成就するために、決意して電車に飛び込んだのであれば、それはそれで見事だが、この人物はホラ話を書いて外れたらツイートを消して逃げた。人間的に見ても、実にくだらない人物であることが分かる。
「morlokita_3@3Moriokita」は、こうしたツイートをしている時点で、自分の信じているもの、自分の見聞きしている情報、自分の情報の取捨選択が100%間違っていることに気付かなければならない。
そして、自分の信じていたものが自分にとって有害であることを悟って軌道修正しなければならない。そうしなければ、これからも何度も何度もガセ情報に騙され、翻弄され、誰かに「お前は馬鹿なのか?」とこっぴどく批判される人生が待っている。
SNSが罵倒と中傷と攻撃と対立の荒野になっている今、いよいよ生まれているのがキャンセル・カルチャー(排除文化)である。(キャンセルカルチャー)
SNSは「誰かを攻撃する」ために使われるようになっており、どんな発言でも何百人もの人たちから攻撃される元になる。主義主張を異にする人間の発言も攻撃されるし、目立つからというだけで攻撃されることもある。
今は、誰でも攻撃され、批判され、中傷され、罵倒されるのだ。
そういう時代だから、根拠のない馬鹿なホラ話を書いていると、すぐに攻撃の対象になる。SNSはそういう社会に向かっているので、この人物のような脇が甘くて頭のおかしい人間は、たちまち攻撃されてキャンセル(排除)されることになるだろう。
私自身は、この人物の人生がどうなろうとまったく何の関心もない。その末路がどうなろうと知ったことではない。別にこの人物が軌道修正しようがしまいがどちらでも構わない。興味がない。だから、さっさとブロックしている。