新型コロナウイルスは10年後、アメリカや日本のせいになっていたりするのか?

新型コロナウイルスは10年後、アメリカや日本のせいになっていたりするのか?

自分たちに都合の悪い数字は限りなく小さく、自分たちに都合の良い数字は限りなく大きくするのが中国共産党の計算方法なのである。そうやって人民大虐殺も矮小化し、やがてなかったことにする。だから、真実を暴露する人間は都合が悪い。躍起になって情報統制をしているのは、国が嘘で成り立っているからだ。嘘を暴露されないために、監視せざるを得ないのである。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

中国は自らの力で有望な新興国となったのではない

中国共産党政権は「新型コロナウイルスは中国で発生したものではなく米軍が持ち込んだものだ」と言い始めているのだが、中国は自らの責任は絶対に認めることなく、ひたすら他国の責任にし続けるだろう。

それこそが中国共産党政権の常套手段であり、体質だからだ。

中国は責任を他国に押しつけて、自らはまったく関係のないフリをして、これからも何食わぬ顔をしてグローバル経済で大きな影響力を行使し続けようとする。時にはグローバル経済の盟主の如く振る舞うはずだ。

しかし、そんな中国は自らの力で有望な新興国となったのではない。

そうなるように、グローバル社会や欧米の多国籍企業が長い時間をかけて作り上げた。そこに、巨大な人口や巨大なマーケットを見出したからだ。

中国の人口約14億人に商品が売れれば、それだけで大儲けになる。だから中国が安定して成長するために、グローバル社会と多国籍企業は何でもしてきた。中国のためではない。自分自身の金儲けのためだ。

目論みの通り、この巨大な国が豊かになって民主化に向かえば問題はなかった。ところが、現実はそうではなかった。中国共産党は自国が豊かになると、ますます独裁性を剥き出しにして国民を強権で押さえ付け、さらに非合法な手段で世界を支配しようと動き始めた。

中国は民主化するつもりはない。それは今の中国共産党政権の捏造体質と独裁体質を見れば自ずと分かることだ。

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中国共産党政権の捏造体質は筋金入りだ

中国共産党政権の出してくる数字はほとんどが自分たちの都合の良いように改竄されたものである。これは新型コロナウイルスの感染者数や死者数で中国が出してくる数字がまったく意味がないということでも分かる。

中国では新型コロナウイルスでの感染が今も広がり続け、死者も増え続けているはずだ。しかし、もう誰も中国の実情がどうなっているのか誰も分からない。

習近平が「新規感染者数をゼロにしろ」と言えば、本当にゼロになってしまう国なのである。改めて中国の「捏造体質」のひどさには誰もが呆れたのだった。

この捏造体質は筋金入りだ。

それはありもしない南京大虐殺を「あった」とか言って、当時の南京は人口が20万人しかいなかったのに30万人が虐殺されたとか言って世界に喧伝して嘘を真実にしてしまおうとするやり口を見ても分かる。

また、チベット人やウイグル人を徹底的に弾圧しているにも関わらず、弾圧はないと言い切るやり口を見ても分かる。

中国では暴動やデモや政府批判が起きても、メディアが統制されているので報道されない。報道されても歪曲されている。情報規制、情報隠蔽は恒常的に行われている。

もし中国が人権蹂躙と情報統制をやめたら、その瞬間に豊かさから取りこぼされた人たちが大挙として中央政府を批判し、暴動を起こし、国を崩壊させてしまう。だから、弾圧も情報隠蔽も徹底的なのだ。

逆に言うと、中国で情報隠蔽が効かなくなった瞬間に国家は内部崩壊の道を辿る。情報をオープンにすると、それぞれの反体制派が結束しあって、一斉蜂起をする可能性は十分にある。中国共産党はそれを死ぬほど恐れている。

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人民が反抗しないように監視せざるを得ない状況

最近、1989年の天安門事件の死者が約1万人であったことが英外務省の機密公文書に記録されていたことが明らかになっている。中国当局が発表している数字は319人である。

約1万人の死者を319人というのだから、中国政府の出す数字はいかに嘘と歪曲と捏造にまみれているのかが分かるはずだ。

捏造の数字と言えば、中国は南京大虐殺というありもしない事件をでっち上げて30万人が虐殺されたと主張している。それを中国や韓国に媚びる村上春樹という愚かな作家が小説の中で40万人とか言い出して数字を盛り始めている。

自分たちに都合の悪い数字は限りなく小さく、自分たちに都合の良い数字は限りなく大きくするのが中国共産党の計算方法なのである。そうやって人民大虐殺も矮小化し、やがてなかったことにする。

だから、真実を暴露する人間は都合が悪い。躍起になって情報統制をしているのは、国が嘘で成り立っているからだ。嘘を暴露されないために、監視せざるを得ないのである。

人民のアクセス監視、メール監視、電話監視まで多岐に渡って監視しており、問題分子を次々と摘発している。中国版ツイッターである「微博」に書き込まれる情報を検閲する政府の役人も全土に約200万人いることが暴露されている。

しかも、検閲対象のキーワードを検索しようとした人間は、それだけでブラックリストに入れられるほど徹底されている。

監視し、拘束し、拷問し、反政府運動をする人民は戦車で踏み潰し、皆殺しにする。それが中国共産政権の政治だ。

私たちは、新型コロナウイルスが中国から来たものであり、中国共産党政権が隠蔽工作に走って初動の押さえ込みに失敗し、その結果、今のような状況になってしまったということをずっと語り続ける必要がある。

そうしないと、10年後にはいつの間にかアメリカのせいになっていたり、場合によっては日本のせいになっていたりしても不思議ではない。

中国共産党政権はそれくらいやりかねない政権なのだ。

『日経サイエンス2020年5月号(特集:新型コロナウイルス/宇宙の化学進化)』

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