コロナ以後「隠れた移民政策=日本人の低賃金化=貧困の定着」が進んでいく

コロナ以後「隠れた移民政策=日本人の低賃金化=貧困の定着」が進んでいく

コロナによって状況は悪化しているのは確かだが、コロナが終わればこの地獄も終わりになるのではない。日本は少子高齢化が放置されている。少子高齢化は内需が消えていくことを意味している。その上、政府は経団連の提言を受け入れて、「隠れた移民政策」を行っている。「隠れた移民政策」で賃金が低下する。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

「良い仕事」から閉ざされた約280万人もの子供たち

ファイザーのワクチンは「90%効く」と喧伝されているのだが、まだ米食品医薬品局(FDA)に承認されたわけでもなく、承認されてもこのワクチンが出回るのは来年の半ばであるとされている。

一方で、北半球は冬が本格化して気温が下がってきたこともあり、中国発コロナウイルスの感染は拡大していく一方となっている。欧米でもそうだが、今まで比較的落ち着いていた日本でも感染者が急激に増えているのは見ての通りだ。

そんな中で景気の悪化は続いており、低所得層の貧困は深刻化してしまっている。失業率も高止まり、自殺もどんどん増え続けている。7月から自殺者は一気に跳ね上がり、毎月1800人以上が自殺に追い込まれ、10月に至っては2153人(速報値)となっていることを警察庁は発表している。

コロナ禍による景気の悪化は貧困層を極度に追い込んでいる。容赦ないスピードで、低所得層(ボトム)の人たちの貧困化が広がっている。

「所得が国民の平均値に満たない。目安として約137万円以下」が貧困層なのだが、コロナ禍が終わらない以上は彼らが這い上がる方法はない。

厚生労働省の「平成28年国民生活基礎調査」によると、子供の貧困は15.6%にもなっている。約280万人が「子供の貧困」にカウントされて、就学援助を受ける小中学生はすでに147万人もいる。

コロナ禍はこの状況を間違いなく悪化させている。2020年の数字はひどいことになっているはずだ。

貧困は進学率にも関わってくる。年収200万円未満の家庭では、4年生大学の進学率は30%に満たない。「大学なんかで遊んでいるヒマはない」という現実を如実に示している。

とは言っても、学歴が不足していたら、良い仕事には就けなくなる可能性も高い。賃金も高学歴者より明らかに低い。「良い仕事」から閉ざされた約280万人もの子供たちは、そうやって貧困から抜け出せなくなっていく。

【金融・経済・投資】鈴木傾城が発行する「ダークネス・メルマガ編」はこちら(初月無料)

目の前で格差が広がったのが可視化された

2020年は4月7日から緊急事態宣言が始まり、5月には延期されて、事実上2ヶ月のロックダウンが行われたのだが、これによって非正規雇用者は次々と仕事を失って、悲惨な生活に追い込まれていた。

しかし、この時期に行われた金融緩和によって株式市場はどんどん上昇しており、3月のコロナショックで痛手を負った富裕層たちはあっという間に損を取り戻していった。

金融緩和は別に富裕層を救うために行われたものではないのだが、結果的には株式資産を保有する富裕層が救われる形と化した。このコントラストは対照的で鮮明なものだった。

目の前で格差が広がったのが可視化されたのである。

コロナ禍は「格差拡大装置」だった。格差の拡大は今も止まっていないし、コロナ以後も解消するわけでもない。

日本の社会では、1980年代後半から非正規雇用での就労者が拡大し、2000年には本格的かつ広範囲に取り込まれていくようになった。これは企業にとって非常に便利な仕組みだった。

「出世させる必要がない」
「景気が悪いとリストラできる」
「壊れたら別の人間に入れ替えられる」

日本企業の重荷になっていた終身雇用と年功序列が外せるのだから、これほど企業にとってコスト削減になるものはない。だから、今やこの非正規雇用が主流になっている。しかし、これは日本人の人生設計を不安定にするものだ。

誰もが正社員で入社したいという気持ちがあるのだが、どう探しても正社員の職が見つからず非正規雇用になってしまう。そのため、2000年以後、多くの若年層が貧困層に転がり落ちた。

労働条件が格段に悪くなっており、それが日本人の貧困層を拡大させているのである。一方で、サラリーマンに見切りをつけて起業した人間も地獄を見ていた。

【ここでしか読めない!】『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』のバックナンバーの購入はこちらから。

1500人が起業したら、その中の1人しか成功しない

成功した実業家は、自分が成功したので人に何かを語るときは必ず「成功したければ、金持ちになりたければ、這い上がりたければ起業せよ」と述べる。

しかし、起業が正しい解答なのかどうかは、その人のビジネスマンとしての資質と、運と、資金繰りがうまくいくかどうかにかかっている。多くの場合、資質と運と資金繰りは揃っていないことの方が多い。

「起業バカ」(光文社)の著者でもある渡部仁氏は、年間に約18万人が起業し、1年位内に起業を目指している人が60万人から70万人いるというデータを出している。

しかし、この中で実際に起業に成功したのは、1500人に1人であったと述べる。

1500人が起業したら、その中の1人しか成功しない。なぜか。原因はひとつではなく、多くの要因が複雑に絡み合っている。たとえば以下のものである。

「ビジネスの見込み違い、起業費用の見込み違い」
「共同設立者の裏切り、約束の不履行、意見対立」
「大企業のベンチャー潰し」
「下請けでの奴隷的契約」
「連鎖倒産、契約の不意の打ち切り」
「フランチャイズ詐欺」
「金融機関の貸し渋り、出資拒否」
「資金繰り地獄、自転車操業」
「身ぐるみ剥がされる個人保証」
「ビジネス環境の急速な変化」

起業するには金がかかり、人間関係に依存する。だから、この2つの問題が常にトラブルを引き起こす。その両方が起業者を追い詰めていくのである。

このような状況の中で、何とか起業しても10年後に生き残れる会社はわずか5%しかない。ことごとくは潰されていく。一時期は良かったとしてもそれは続かない。逆に悪いことの方が長く続く。

起業に多額の資金を投じたり、借金をしていたりすると、それが失敗した瞬間に、貧困層に転がり堕ちる。

今年はコロナ禍ではなおさら状況は厳しくなっている。新しい事業だけでなく、老舗の事業でさえも追い込まれているのが今の時代である。

ダークネスの電子書籍版!『邪悪な世界の落とし穴: 無防備に生きていると社会が仕掛けたワナに落ちる=鈴木傾城』

隠れた移民政策=日本人の低賃金化=貧困の定着

雇われていても、じり貧になり貧困層に落ちる。起業しても1500分の1の確率でしか成功しない。今、私たちが生きているのは、高度成長期の右肩上がりの社会ではない。何をやっても貧困に転がり堕ちる地獄のような社会なのである。

重要なのは、ここからだ。

コロナによって状況は悪化しているのは確かだが、コロナが終わればこの地獄も終わりになるのではなく、それ以後も貧困の拡大は広がっていく。

日本は少子高齢化が放置されている上に、政府は経団連の提言を受け入れ、「隠れた移民政策」を行っている。少子高齢化は内需が消えていくことを意味している。さらに「隠れた移民政策」では賃金が低下することを意味している。

政府と経団連は今、「留学生・研修生・単純労働者受け入れ」を通して国内で安い人材を確保しており、高賃金を要求する日本人を雇いたいと思っていない。この流れが続くと、結局は日本人も賃金引き下げを飲まざるを得ない。

日本人の低賃金化は、「隠れた移民政策」が進めば進むほど社会に定着し、固定化されていくのである。

「隠れた移民政策=日本人の低賃金化=貧困の定着」

なのである。コロナ禍では低賃金の働き手として日本に送り込まれた外国人たちも仕事を失って、彼らが次々とアンダーグラウンドで犯罪を引き起こすようになっており、これが表面化しつつある。

しかし、日本政府は断固として「隠れた移民政策」を押し進めており、この流れはコロナ禍が続こうが終わろうが変わることはない。むしろ、コロナ禍が終わった後の方が大量の外国人が流入して「日本人の低賃金化=貧困の定着」は進むはずだ。

「グローバル化」「多文化共生」は、多国籍企業・巨大企業の利益を増大させるために取り入れられている。日本企業もまた利益増大のために、「グローバル化」「多文化共生」を目指す。

別の言い方をすれば、「グローバル化」「多文化共生」を大義名分にして、低賃金の働き手を確保する。

今、このような社会情勢であるということを私たちは理解しなければならない。そして、自分に何ができるのかを考えなければならない。

鈴木傾城のDarknessメルマガ編

CTA-IMAGE 有料メルマガ「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」では、投資・経済・金融の話をより深く追求して書いています。弱肉強食の資本主義の中で、自分で自分を助けるための手法を考えていきたい方、鈴木傾城の文章を継続的に触れたい方は、どうぞご登録ください。

一般カテゴリの最新記事