右派・保守派が言論弾圧される本当の理由は「金儲けに邪魔」だからと気づけ

右派・保守派が言論弾圧される本当の理由は「金儲けに邪魔」だからと気づけ

多国籍企業(グローバリスト)にとって国境は邪魔だし、安い国外の労働者を自国で使うためには右派・保守派もいない方がいい。だから左に偏っていく。グローバリストが「国という概念の撤廃」「移民・難民の歓迎」「多文化共生」を主張するのは、その方が金が儲かるからなのである。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

右派の多くの人の意見を遮断している

大統領選挙も混沌としてきているのだが、現職のドナルド・トランプは常に「ソーシャルメディア各社は右派の見解を持つ利用者を完全に差別している」「検閲はとても危険なもの」と激しく批判している。

フェイスブックは7月にトランプ大統領の側近であったロジャー・ストーンのアカウントを削除したり、右派組織である「プラウド・ボーイズ」のアカウントも削除している。保守系若者団体「ターニングポイントアクション(TPA)」のアカウントも削除されている。

危険は極左団体アンティファはそのままであるというのに、右派・保守派のアカウントだけが狙いすましたように削除されている。トランプ大統領は、以前このように言っていた。

「彼らは右派以外の人々には何もしていないのに、右派の多くの人の意見を遮断している」

このトランプ大統領の咆哮は被害妄想なのか真実なのか。アメリカでは多くの人が「真実だ」と捉えている。

右派の受難はアメリカだけではない。フェイスブックは全世界で右派・保守派のアカウントの投稿を消したり、警告したり、アカウントそのものを抹殺したりしているのだ。

ブラジルでもボルソナロ大統領のアカウントが削除されているし、イギリスでもイギリス国民党、イギリス国民戦線、イングランド防衛同盟、ブリテン・ファーストのアカウントが2019年に有無を言わせずアカウント削除に見舞われた。

日本も右派・保守派のアカウントがしばしば検閲されている。こうした動きはフェイスブックだけでなく、ツイッターでもグーグルでも起きている。

そして、マスコミはほぼすべて「リベラル」に乗っ取られていて、BLM(Black Lives Matter)とアンティファの暴力は「アイデア」とか言って賞賛して、右派・保守派は何を言っても何をやっても攻撃する。

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フェイスブックの偏向は事実

フェイスブックが偏っているというのは、しばしば「右派の被害妄想」と言われるのだが、そうではない。フェイスブックが偏向していると声を上げたのはフェイスブックの上級エンジニアであるブライアン・アメリゲ氏だった。

フェイスブック社内の上級エンジニアが「偏っているのは事実だ」と言っているのである。氏は「FB’er」というフェイスブックの内部で使われているメッセージボードで「我々は政治的多様性に問題を抱えている」と問題提起をした。

フェイスブック社内はかなり「左に傾いた文化」であり、社内ではトランプ大統領のポスターを破壊したりするような状況がまかり通っているとブライアン・アメリゲ氏は語った。

「フェイスブックはすべての視点を歓迎すると主張しているが、実際には左翼思想に反する見方をしている人間は、しばしば排斥の対象にされる」

「私たちは様々な見解に耐えられない政治的な単一文化の中にある」

それも「群衆にまぎれて、すばやく攻撃される」というのだから悪質だ。フェイスブック社内では、意図的に右派・保守派が攻撃されているのである。

社内でもそのような状況なのだから、ユーザーの主義主張に関しても「左派の主張は放置され、右派の主張は言論封殺される」という現象が現れても不思議ではない。

フェイスブックが言う「我々は中立だ」という主張には根拠がまったくない。中立どころか、誰が見ても分かるほど左に偏っている。

ドナルド・トランプ大統領が激しく批判しているのは、こうしたものだった。大統領選挙では中国やロシアが選挙に介入していると言われているのだが、最も選挙に介入して世論操作しているのは、アメリカ国内のマスコミと巨大IT企業である。

アメリカ国内のマスコミと巨大IT企業は、言ってみれば「リベラル」の総本山でもある。この巨大な存在が右派・保守派の主張を言論封殺しようとしていると言っても過言ではない。

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グーグルがあからさまに偏向すると?

アメリカのハイテク産業が強烈なリベラル思想に支配されているのは、かねてから言われていた通りで、今さらそれが明らかになっても何ら驚きはない。

「グーグルも検索結果がリベラル優位に偏っている」とトランプ大統領はかねてから批判している。

「グーグルで「トランプ・ニュース」と入力して検索をかけた結果の96%は全国展開する左翼メディアのものだ」

グーグルはそれを否定しているのだが、トランプ大統領に関するニュースのほとんどは確かに歪んでいる。そもそも、マスコミの記事そのものが最初からトランプ大統領に否定的な論調なので、どうやっても中立になり得ない。

グーグルは中国で金儲けをしたいがために、中国政府におもねるような検索エンジンを作って社内のエンジニアたちから大批判が湧き上がるような事態になったことも記憶に新しい。

グーグルの上級幹部と一部のプログラマーだけで極秘で進められていたプロジェクト「ドラゴンフライ」は、中国政府の検閲をそのまま取り入れたものだった。

この計画が従業員の密告でバレると、グーグルのCEOであるサンダー・ピチャイ氏は「中国で検索商品を出す状況に近づいていない」と計画を引っ込めた。バレなければ、そのまま中国に納入して中国政府におもねりながら金儲けをするつもりだったのだ。

もし、仮にグーグルがこの「ドラゴンフライ」で中国に進出し、広告費を稼ぐようになったのを見届けた後、中国政府が「全世界の検索も検閲しろ」と圧力をかければどうなったのかを想像すれば恐ろしい。

グーグルの上級幹部が、中国市場とその売上を失いたくないために従うという決定をしたら、検索エンジンでは中国共産党に都合の悪いコンテンツ、都合の悪い書き手はいっさいグーグルの検索エンジンから弾かれることになっていく。

検索エンジンの市場はグーグルが独占している。グーグルがあからさまに偏向すると、言論封殺は完成する。

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「愛よりもカネ、国よりもカネ」

ところで、ハイテク大手ばかりでなく、世界中のほぼすべての多国籍企業、政治家、経営者、エスタブリッシュメントたちが左派(リベラル)に偏っているのは何か理由があるのだろうか。

それは、何かの陰謀なのだろうか。

いや、基本的に多国籍企業は左派(リベラル)に偏っていくのは自然な現象だからそうなっていると考えた方がいい。

どういうことなのかというと、多国籍企業は常に「安い労働者」と「世界の市場」のふたつを追い求めて活動している。このふたつを追求することによってコスト削減と売上増大が図れるからである。

安い労働者=コスト削減
世界の市場=売上増大

安い労働者を見つけるには途上国の人間を使うのが手っ取り早い。だから多国籍企業は世界中に出ていく。また先進国の人口は萎んでいくばかりだが、途上国の人口は爆発的に増えていく。売上を上げるには途上国の人間をどんどん取り込むのが合理的な判断だ。

これを成し遂げるには国という概念は希薄である方がいいし、安い労働者を使うためには保守派はいない方がいい。だから、多国籍企業のすべては左派(リベラル)に偏っていく。

この多国籍企業が莫大なロビー活動を行うので既存の政治家はことごとくグローバリストとなる。

グローバリストが「国という概念の撤廃」「移民・難民の歓迎」「多文化共生」を主張するのは、その方が「儲かるから」なのだ。

この多国籍企業の大株主がエスタブリッシュメントであり、多国籍企業を動かしているのが経営者たちである。多国籍企業、政治家、経営者、エスタブリッシュメントたちは、単に「儲かる」からグローバル化を推進している。

それが現実なのである。

そう考えると、ドナルド・トランプ大統領が徹底的にグローバル・メディア、既存の政治家、エスタブリッシュメント、経営者たちから攻撃されるのは、「金儲けの邪魔」だからであるとすぐに気付くはずだ。

なぜ右派・保守派は弾圧されるのかも、これで見えてくるはずだ。グローバル社会の中で、右派・保守派は「金儲けの邪魔」なのだ。

多国籍企業はイデオロギーなんかどうでもいい。グローバル化に左派のイデオロギーが利用できれば左派を利用し、金儲けとう本音を隠して多文化共生みたいな建前を謳う。それが、今の社会で起きていることだ。

トランプ大統領はこのような中で戦っている。果たして大統領選挙の結果はどちらに転ぶのだろうか……。

『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか アメリカから世界に拡散する格差と分断の構図』

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