中国に関わると技術・ノウハウ・サービス・ブランドをすべて盗まれる

中国に関わると技術・ノウハウ・サービス・ブランドをすべて盗まれる

アメリカのドナルド・トランプ大統領は断固たる決意で中国に貿易戦争を仕掛けているのだが、そもそもその発端となったのは中国による「意図的かつ悪質な知的財産の侵害」であった。

中国は自力で発展した国ではない。そして、中国はイノベーションを生み出している国ではない。中国はいかにしてアメリカと並ぶ大国となったのか。それは、徹底的な知財の侵害がその根底にあった。

「知財の侵害」と言えば、言葉が柔らかい。「中国は他人の技術・ノウハウ・サービス・ブランドを盗みまくっている」と言えば実態が分かるだろうか。

中国は、進出してくる海外企業に対して「合弁会社を設立しなければならない」と命令する。海外企業は、その条件を飲まないと中国には絶対に進出できないので、仕方がなく合弁会社を作る。

その「合弁会社」がワナなのだ、(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

中国は最初から「盗む」つもりで合弁会社を設立している

合弁会社を設立すると、中国側は進出してきた企業のノウハウや機密や技術を徹底的に集積する。そして、完全に技術を手に入れたところで、その海外企業を追い出して、自分たちの合弁会社で模倣を作り、国内市場を独占し、海外にも打って出る。

1. 海外の有力企業を誘致する。
2. 合弁会社を設立する。
3. 技術・ノウハウ・機密を徹底的に盗む。
4. 海外企業を追い出す。
5. 模倣で席巻する。

中国は最初から「盗む」つもりで合弁会社を設立している。海外の企業は中国に進出して儲けるつもりでいるのだが、中国に乗り込んだ瞬間にワナに落ちる。

中国はそうやって海外企業から技術・ノウハウ・サービス・ブランドを盗みまくって成長してきたのである。

では、中国に進出してこなかった有力な海外企業、あるいは中国に技術が漏れるのを厳しく制御している企業に対してはどうするのか。

中国がやっている方法が2つある。

1つは工作員の送り込み。もう1つはありとあらゆる手法でのハッキングだ。中国人を雇うと、その中国人が企業の機密情報を様々な手口で盗んでいくケースがよく見られる。

アップルでも中国人の技術者を雇ったら、この男が自動運転技術を根こそぎ盗もうとしていたことが発覚したことがあった。自動運転技術を統括していたアップルの上司がもし気づかなかったら、アップルの機密情報はすべて中国に流れていた。

アップルは「たまたま」気付いたからいいものの、気づかないまま機密情報が流出しているケースはかなりある。企業だけではない。大学での基礎研究も同じ手口で狙われている。

優秀な中国人というのは、優秀な工作員でもある。国家絡みで知財侵害を進めているのだから、世界中に工作員が放たれていると考えなければならない。

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どのようなセキュリティ対策をしても中国が侵入する

中国に進出せず、中国の工作員を見抜いたとしても、それで中国の知財侵害から逃れられるわけではない。

ハッキングという手口があるからだ。

2018年10月4日、ブルームバーグは『中国、マイクロチップ使ってアマゾンやアップルにハッキング』という記事を出している。

中国の企業「スーパーマイクロ・コンピューター」が製造するマザーボード(コンピュータ用の基盤)を調査したところ、マザーボード上に直径数ミリの超小型マイクロチップが組み込まれていたのである。

『ボード本来の設計にはない部品だった。アマゾンが発見を米当局に報告すると、情報関係者の間に衝撃が走った。エレメンタルのサーバーは国防省のデータセンターやCIAのドローンシステム、海軍の艦船間のネットワークに使われていたからだ。しかも、エレメンタルはスーパーマイクロの数百社の顧客の1社にすぎない』

このマイクロチップは何をするものなのか。これは「いかなるネットワークにもアクセスすることを可能にするもの」だったのである。

ファーウェイやZTEはユーザーの個人情報であるSNS、連絡先、通話記録、電話番号、端末の識別番号を72時間ごとに中国のサーバに送信していたことでトランプ大統領は2018年8月13日に中国ベンダーのスマートフォン等のデバイスの使用を禁止する「国防権限法」に署名している。(ダークネス:アメリカは中国デバイスを排除しているのに、日本は何もしないのか?

ユーザーはファーウェイやZTEを使わなければいいのか。いや、中国企業の「スーパーマイクロ・コンピューター」が製造するマザーボードを使っていたら、もはやユーザーが何をやっても、どのようなセキュリティ対策をしても無駄なのだ。

基盤にスパイするチップが最初から埋め込まれているのである。これでは手の打ちようがない。いかに中国が知財侵害をしているのかが分かるはずだ。中国とはそんな体質を持った国なのである。

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騙されたくなければ、中国に関わるべきではない

「合弁会社を設立して盗む」
「工作員を送り込んで盗む」
「あらゆる手口のハッキングで盗む」

これが中国のやっていることだ。「中国は他人の技術・ノウハウ・サービス・ブランドを盗みまくっている」という意味が分かっただろうか。

2018年10月4日、ジョン・ボルトン補佐官はブルームバーグが報じた中国のハッキングについて、このように答えている。

『サイバー空間や情報技術(IT)分野でわれわれを脅かそうとする中国側の取り組みは、米国にとって対応優先順位が非常に高い。彼らへの反撃、中国がそうしようと考えることさえできないようにする抑止機能の構築は、大統領が承認した攻撃的なサイバー戦略につながるものだ』

トランプ大統領ではなくても、アメリカが激怒するのは当然のことである。

アメリカは、中国の汚い知財侵害の手口を次々に明らかにして被害に遭っていることを報告しているのだが、一方で日本政府からはまったく「中国の知財侵害に対する脅威・解明・対策」の声は聞こえてこない。

アメリカがこのようにやられているということは、日本もまたやられているのは明確な事実なのだが、それでもまったく日本は何もしていない。中国が脅威であるということすら、いまだに気付いていない人も多い。

中国では「騙した方よりも騙された方が悪い」と考えるのだが、日本人のあまりの無防備さには愕然とする。

中国は知的財産の侵害で膨れ上がった「盗賊国家」であるという実態を、日本人は一刻も早く知るべきなのだ。騙されたくなければ、中国に関わるべきではないし、中国ベンダーの製品を使うべきではないし、中国を信じるべきでもない。

信用できない存在と関わっていたら、信用できない結果が返る。中国と関わるというのは、そういうことなのだ。

日本政府はまず危機感を持ち、被害がどこまで浸透しているのか、一刻も早く実態を解明すべきだ。(written by 鈴木傾城)

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中国は知的財産の侵害で膨れ上がった「盗賊国家」であるという実態を、日本人は一刻も早く知るべきなのだ。騙されたくなければ、中国に関わるべきではないし、中国ベンダーの製品を使うべきではないし、中国を信じるべきでもない。

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