中国に対抗するため日本も10万人規模のサイバー部隊を創設してはどうか

中国に対抗するため日本も10万人規模のサイバー部隊を創設してはどうか

企業はインターネットにサイトがなければ、存在していないも同然の扱いになっている。小売りも、書籍も、販売はインターネットにシフトしつつある。インターネットがなければ、ビジネスはできない。

すべての官公庁組織、行政、企業は、もはやインターネットがなければ実体すら成り立たない。

さらに、スマートフォンを介して多くの個人がインターネットになだれ込み、インターネットそのものが常時、「手元にある」状態になった。

その結果、インターネットは電気・ガス・水道に劣らないインフラと化した。

そして現在、インターネットの内部には個人情報が渦巻いており、企業の内部情報もそこに置かれている。

こうした重要な情報は本来であれば万全のセキュリティで守られているはずなのだが、サイバー攻撃の対象になって次々と壁が破られているのが現状だ。

ここを悪意を持って「テロ攻撃」されたら社会は大混乱する。混乱どころか社会が崩壊するかもしれない。現代社会においては、インターネットはそれほどの「重要空間」になっている。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

北朝鮮という国家ぐるみの犯罪者

2017年を席巻したサイバー攻撃は「WannaCry(ワナクライ)」というランサムウェアだった。

ランサムウェアとは「身代金」という意味だが、このコンピュータ・ウイルスに感染するとコンピュータのファイルが暗号化されて自分のデータも丸ごと使えなくなってしまい、金を支払うまで解除されないという悪質なものだった。

その金はビットコインで支払うように指示されているのだが、ビットコインは銀行口座のように中央管理されていないので、いったん支払うとどこの誰がそれを手に入れるのか分からなくなってしまう。

しかし、アメリカ政府はこうした動きを注意深く追って分析しており、国土安全保障担当補佐官のトム・ボサート氏は2017年12月18日付けに「北朝鮮がやっている」と答えた。

「攻撃は広範囲に及び、多額の損害をもたらした。北朝鮮に直接責任がある」

世界中からサイバー攻撃で不正にコンピュータを乗っ取って金を毟り取っていた犯人は北朝鮮であり、その行動は国家ぐるみであったのだ。米国家安全保障局(NSA)もまた、このサイバー攻撃が北朝鮮によって実行されているのを確認している。

そして、2018年1月。日本では仮想通貨の取引所である「コインチェック」で580億円が「何者か」にハッキングされるという事件が発生した。

専門家の分析によってこの犯人もまた北朝鮮ではないかという説が有力になっている。ただし、朝日新聞は2019年6月に「使われているツールがロシアのものなので、ロシアのハッカーが関与していて北朝鮮関与に疑問符」と言っている。

しかし、朝日新聞の説に疑問を持つ専門家も多い。なぜなら、使っているツールがロシア系のものだから犯人はロシア系と決めつけるには、あまりにも短絡的だからだ。北朝鮮が姿を隠すためにロシアのツールを使っていたら、どうするのか。

ツールが何であっても関係ない。

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ファーウェイは「形を変えた中国軍」

北朝鮮はサイバー攻撃に邁進しているのだが、実は世界最大のサイバー攻撃部隊を持つのは中国である。中国は世界各国の企業の内部に深く浸透していき、極秘情報を盗み取り、それで製品開発をしている剽窃国家だ。

昨今のアメリカと中国の「新冷戦」は、中国のサイバー攻撃による激しい知的財産の強奪がそもそもの原因である。アメリカは何度も中国に「知的財産の窃盗をやめよ」と警告したのだが、中国は「やめる」とは言わなかった。

なぜ「やめる」と言えないのか。なぜなら、中国の技術発展は徹底的な剽窃から成り立っているので、それをやめるというのは「経済発展をやめる」と言うのも同然だからだ。

そのため、中国は国家ぐるみでサイバー攻撃を行い、ファーウェイのような企業を中国共産党政権が育て上げ、侵略部隊のように使っている。

「部隊」というのは比喩ではない。ファーウェイのCEOである任正非(じん・せいひ)は中国人民解放軍出身者である。ファーウェイは「形を変えた中国軍」なのだ。

ファーウェイがアメリカから排除されるそもそもの発端となったのは、スマートフォンにバックドアが仕掛けられていて、「送受信したSMSの本文、連絡先、通話履歴、電話番号、端末の識別番号を72時間ごとに中国のサーバに送信する機能が搭載されていた」からである。

ファーウェイが「5G」の基地局を掌握することになると、全世界の国民の情報が中国共産党政権の手に落ちる。高度情報化社会では、いつでも機密情報にアクセスできる人間が世界を制覇する。

現代の諜報活動というのは、インターネット空間で行われるものなのである。中国はそれをよく分かっている。

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日本も10万人規模のサイバー部隊を!

インターネットは全世界を覆い尽くすインフラだが、それと同時に全世界をターゲットにした戦争の舞台でもある。「国家」が企業や相手国の機密情報を盗み取る。

日本はまだインターネットが「軍事領域」になっているという意識もないし、「サイバー軍」が必要だとも思っていないが、あまりにも意識が遅れている。

かつて、侵略は、陸からなされ、海からなされ、空からなされた。今はインターネットから侵略がなされる。だから、インターネットが陸海空と同じ「軍事領域」であったとしても、何ら奇異なものではない。

むしろ、ここを放置していると国家的に「丸裸」でいるのと同じだ。インターネットで攻撃されることによって、国家的損失が生まれるのだ。日本人だけが、インターネットが戦場だという認識を持ち合わせていない。

日本はインターネットを「軍事領域」であると認識する前に、陸海空を防衛しなければならないという基本的な部分でさえ曖昧にされて危機感を感じない。

防衛できないというのはどういうことか。防衛できなければ、侵略されるということだ。「日本には憲法第九条があるから、侵略しないでおこう」と考える侵略者などひとりもいない。

日本の現状は非常に危うい。今まさに望まれているのはこの脆弱さを早急に糺すことだ。サイバー攻撃の前に無防備であってはいけない。

インターネットは電気・ガス・水道と同じく文明のライフラインであり、これが他国によって切断されるような攻撃が行われると、その時点で国家機能は麻痺する。

インターネット空間を占拠され、破壊されることによって、実社会が破壊される。日本が大規模なサイバー攻撃をされれば、日本の社会システムは一瞬にして崩壊する。

今後、日本という国の存続は、いかにインターネットからの攻撃と防御ができるかにかかってくる。日本は、サイバー空間での「攻撃能力」を持たなければならない。

中国のサイバー部隊は10万人の規模である。いっそのこと、日本も10万人規模のサイバー部隊を創設してはどうか。防御するばかりでなく、攻撃できる能力を持たなければ、これからの時代に対処できない。

日本人の国防意識はあまりにも甘すぎる。(written by 鈴木傾城)

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中国のサイバー部隊は10万人の規模である。いっそのこと、日本も10万人規模のサイバー部隊を創設してはどうか。防御するばかりでなく、攻撃できる能力を持たなければ、これからの時代に対処できない。

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