ロシア(旧ソ連)は日本に対して4つの大罪を犯し、何の反省もない無法国家である

ロシア(旧ソ連)は日本に対して4つの大罪を犯し、何の反省もない無法国家である

北方領土は明確に日本の領土だ。ロシアに不正・不法な手段で暴力的に奪われた。この島々がロシアのものであるという国際法上の根拠などない。日本政府は「北方領土は100%日本のものなのだから4島全部返還しろ」と主張し、ロシアから奪い返すのがスジなのである。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

ロシアという犯罪国家

プーチン大統領のウクライナ侵攻は今もなお続いており事態は混迷しているが、このプーチンのやり方に反対して抗議の声を上げているロシア人も多い。しかし彼らは抗議デモの中で次々と逮捕され、すでに逮捕者は5000人を超えている。

西側諸国では、ロシア人が良識を持ってもっとプーチン大統領を批判すべきという声も上がっているが、事態は簡単ではない。ロシア国内では反プーチンの活動は命にかかわってくる問題となるからである。

ロシアでウラジーミル・プーチンの政治に反対する反体制派指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏が毒を盛られて重体になったこともあったが、ロシアはそういう国であり、プーチン大統領とはそういう指導者なのである。

これは今に始まった話ではなく、ロシアでは反プーチン派の活動家や政治家やジャーナリストはことごとく射殺されたり、毒殺されたりして不審死している。

日本では、なぜかウラジーミル・プーチンは好意的に見られているのだが、この男は世界でも有数の諜報機関だったKGB(ソ連国家保安委員会)出身の「目的のためには手段を選ばない」危険な人間である。

分かりやすく言えば、ウラジーミル・プーチンという男は、邪魔者を葬り去ることなど何とも思っていない「殺人鬼」である。ロシアとはこのような危険な男が支配している国であり、この国の行動は決してフェアではない。

今回のウクライナ侵攻で世界はやっとそれを理解した。

日本は「中国・韓国・北朝鮮」という敵国に囲まれているのだが、ロシアもまた油断できない敵国である認識は持たなければ痛い目に遭う。

ロシアと日本は北方領土問題を抱えているが、この北方領土(択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島の島々)は卑劣な方法でロシア(旧ソ連)に奪われたものだ。

日本がポツダム宣言を受け入れて降伏したあと、ロシア(旧ソ連)は北方領土に侵攻して奪い取った。日本がもはや反撃できないのを見て、いきなりやってきて不意打ちで奪い取ったのだ。

1945年8月28日から9月5日にかけてのことだった。

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不正・不法な手段で暴力的に奪われた

その前に、ロシア(旧ソ連)は1945年8月8日に領土保全と不侵略を相互に約束したはずの「日ソ中立条約」を破って満州に侵攻し、日本兵・民間の日本人を大量虐殺している。

「中立を守る」と約束しながら、日本軍の敗戦が鮮明になると、さっさと条約を破って領土を奪い取りにやってきた。日本が降伏した後も、民間人への暴力は止まらなかった。

言っておくが、ポツダム宣言の後、日本国軍は完全に武装解除し、満州にいた日本軍兵士はそれに従った。しかし旧ソ連軍は、その丸腰の日本人に襲いかかり、特務機関関係者を片っ端から逮捕しては即座に銃殺していた。

そして、民間人の家に押し入り、奪い、殺し、強姦したのである。

当然だが、この時の民間人の財産強奪・殺人・強姦について、ロシアは日本に対して謝罪も賠償もしていない。こうした暴虐の延長線上に、北方領土への侵攻と強奪があったのだ。

北方領土は明確に日本の領土である。

ロシアに不正・不法な手段で暴力的に奪われた。この島々がロシアのものであるという国際法上の根拠など、どこにもない。にも関わらず、日本政府はロシアを糾弾することもなければ、武力で取り戻すこともない。

日本政府が何を考えているのか知らないが、「北方領土は100%日本のもの」なのだから、「4島全部返還しろ」と主張し、ロシアから奪い返すのがスジなのである。

ロシアが日本に行った非人道的な行いは北方領土を勝手に奪い取ったことだけではない。ロシアは60万人あまりの日本兵をシベリアに強制抑留し、6万人近くを死亡させるという戦争犯罪をも行っている。

ひとことで60万人と言うが、これは尋常な数ではない。

シベリアの大地は「地球上で最も酷寒」と言われるマイナス40度から60度になる凍土だ。このシベリアの大地を開拓し、鉄道を敷くために、ロシアは60万人の日本人を約2000ヶ所に分散抑留し、食事も満足に与えずに強制労働させ、不法に強制労働させたのである。

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いつか裏切られると思いながら付き合う

ロシアのやったことは明らかなるポツダム宣言第9項違反であり、かつてない戦争犯罪である。ロシアは犯罪国家・無法国家であり、領土を奪われている以上、日本はロシアとの戦争を清算できていないという言い方ができる。

・ロシア(旧ソ連)は日ソ中立条約を一方的に破棄をした。
・ロシア(旧ソ連)は違法に対日軍事行動を起こした。
・ロシア(旧ソ連)は民間人を殺害・レイプした。
・ロシア(旧ソ連)は日本軍兵士を強制抑留した。

ロシア(旧ソ連)は日本に対して4つの大罪を犯して、何の反省もない。そして、今もなお北方領土4島を実効支配し続けている。

敗戦直後の旧ソ連のやったことを見れば見るほど、この国の悪辣さが浮かび上がってくるのだが、興味深いことに日本政府は、ロシア(旧ソ連)が日本に対して何をやったのかを教育で積極的に伝えることはほとんどない。

日本人がいかに辛酸をなめたのかは教育で伝えられることはないし、ロシアがいかに危険な国であるかも教育されない。

その前に「日本軍が一方的に悪いので日本人は反省しなければならない」という洗脳教育が為されているので、ロシアの暴虐まで教育が届いていない。

そのため、何も知らない日本人はロシアは何か友好的かつ民主的な国家であるような「勘違い」をおこしており、その勘違いのままウラジーミル・プーチンみたいな極悪人に親近感を抱いたりする。

もっとも、ロシアもひどいのだが中国・韓国・北朝鮮があまりにもひどすぎるので、ロシアが霞んでいるという見方もあるのかもしれない。

いずれにしても、日本人はお人好し過ぎる。「友好」だとか「親睦」だとか、そんな浮ついた言葉で世界は平和になるわけではないし、歴史問題も消え去るわけでもない。武器を持たなければ攻められないわけでもないし、鐘を鳴らせば安泰になるわけでもない。

どんな条約を結んでも、どんな合意を結んでも、日本が不利になれば一方的に破られて蹂躙される。国際社会は弱肉強食の論理で動いているということを、歴史を見て骨の髄まで叩き込むべきなのだ。

ロシアに友好的な感情を持っている日本人はどうかしている。すべての国とは、いつか裏切られると思いながら付き合うのが正しい。

『安倍vs.プーチン ――日ロ交渉はなぜ行き詰まったのか? (筑摩選書)』

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