本当なのか? 数年のうちに長寿が実現し寿命は100歳になる

本当なのか? 数年のうちに長寿が実現し寿命は100歳になる

私は今後、ナスダックの優良企業を取り込んだ重要なETFを全力で増やしていくというのは、『鈴木傾城のダークネス・メルマガ編』で公言している。

実際、私は2018年2月からの株式市場の調整の中で、このETFをかなり大量に買い込んでいるのだが、それだけでなく、これからの配当や利益の大半をここに注ぎ込む予定でいる。

ところで、ナスダックと言えばハイテク産業の超優良多国籍企業がひしめいている市場なのだが、私がハイテクだけのETFに限定しなかったのは実は大きな理由があった。

それは、ナスダック市場の隠し球である「もうひとつのセクター」を取りこぼしたくなかったからだ。そのセクターは「バイオテクノロジー」である。

今後、社会は第4次産業革命でハイテク企業各社が全世界を支配することになるが、それと同時に起きるのはハイテク産業と密接に結びついたバイオ産業の躍進である。

バイオテクノロジーは遺伝子を解析して治療や創薬をする分野だが、この分野に欠かせないのがテクノロジーである。両者は密接に絡み合っている。

そして、この分野に秘かに注目して莫大な資金を投じているテクノロジーの巨人の姿もある。グーグルとアップルだ。(鈴木傾城)

プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

そこには莫大な需要があり、その需要は「無限」

バイオテクノロジーは医療分野だが、グーグルとアップルは共同で「カリコ」というベンチャー企業を立ち上げているのはあまり知られていない。

ところで、この「カリコ」は何を研究しているのか。それは「長寿の達成」である。

なぜ、畑違いのグーグルとアップルがこの「長寿研究」に向かっているのか。「人類への貢献」というのは立派な建前だが、それだけではない。

この分野が途方もない「莫大な利益」を生み出すから、ハイテクの巨人がここにいる。

何しろ、老いない人はひとりもいない。そして、ほとんど誰もが老いを先延ばししたいと考えている。つまり、そこには莫大な需要があり、その需要は「無限」に近い。

アップルは、アップル・ウォッチで運動量を計り、心電図・血糖値・糖尿病の検知等を行う試みも研究されていて医療分野に前のめりで突き進んでいるのは知られている。さらに「カリコ」で長寿の達成を目指している。

それに対してグーグルの医療分野の取り組みはあまり知られていないのだが、秘かに大きな取り組みが為されている。

グーグルは「グーグル・ベンチャーズ」を立ち上げて、次々と遺伝子研究の世界権威を引き抜いてグーグルのビッグデータを元に長寿の研究を行っているのだ。そして、このグーグル・ベンチャーズが「カリコ」と関わっている。

もちろん、アップルやグーグル以外に多くのバイオ企業が長寿分野での創薬や治療を行っており、「金のなる木」を絶対に逃さないと虎視眈々と狙っている。

では、実際に長寿は達成できるのだろうか。「できる」と科学者は断言する。

そうであれば、この分野は次のゴールドラッシュになるのは確実だ。現在の製薬企業大手も、抜かりなくこの分野に多額の投資を行っている。

たとえば、その筆頭は英グラクソ・スミスクラインだ。

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数年のうちに大きな発表があると明言されている

長寿や若返り研究で突出しているのはハーバード大のデビッド・シンクレア教授だが、このデビッド・シンクレア教授のベンチャー企業を買収したのが他でもないグラクソ・スミスクラインである。

グラクソ・スミスクラインはシンクレア教授と共に1000億円規模の研究開発と臨床実験を行っており、いよいよ人間の寿命を20年から30年近く延ばす研究が佳境に入っている。

本気なのだ……。

「老化を遅らせる」と言えば、聞いたことのない小さな会社の怪しい商品が思い浮かぶ。

しかし、デビッド・シンクレア教授が行っているものはこうした胡散臭い商品とはまったく違う。

遺伝子研究から老化の仕組みが解明され、マウスでは若返りも成功して、こうした研究論文は最も権威のある科学誌の一つCellに掲載された。

バイオ研究から凄まじい効果を発揮する製薬が誕生するのは、すでに100%近い効果でC型肝炎を治す薬を出したギリアド・サイエンシズ社の成功例を見れば分かる。

C型肝炎を完全に治癒する製薬を生み出したギリアド・サイエンシズ社はエイズに感染しない製薬をも発表している。(ブラックアジア:「金持ちはエイズにかからない」という噂は本当だった?

治らないと言われていた病気が、バイオテクノロジーによる治療や創薬で治るようになり、さらに遺伝子検査で将来の危険な病気を回避できるようになっている。

癌や糖尿病と言った多くの人を悩ませている病気や、突然死に直結する危険な心筋梗塞にも、すでにこうしたバイオテクノロジーによって生まれた医薬品が使われるようになっており、絶大な効果を発揮している。

すでにバイオ医薬品は医学にとって重要な役割を果たすようになっているのだ。こうした実績から鑑みて、老化を遅らせる治療や薬が誕生するのは、かなり大きな確率だと考える人が増えている。

しかも数年のうちに重要な発表があると現場に携わる人たちが明言している。デビッド・シンクレア教授も、そのひとりだ。時代はそこまで動いている。

「寿命100歳」と考えなければならない時代なのか?

もちろん、老化についてはまだ完全にすべてが解明されたわけではないので、究極の生命力である「不老不死」に至ったわけではない。

しかし、人間の細胞を若返らせ、それによって寿命を20年ほど延ばすというのはそれほど難しいことはなくなりつつあるとデビッド・シンクレア教授は語る。

老化すれば筋肉も衰えるが、デビッド・シンクレア教授は「その筋肉も若返らせることが可能だ」と断言している。それは「難しいことではない」というのである。

仮にデビッド・シンクレア教授の研究が実を結ぶと、私たちは早ければ2020年頃に「寿命を延ばす薬の誕生」を目にする確率もゼロではない。

細胞が若返った結果として寿命が20年ほど延びるわけであり、これは言ってみれば50代が30代に、60代が40代になるのと同じようなものだ。

これが成功したら、関わっている製薬企業に莫大な利益を生み出すだけでなく、人類の歴史を一変させる。

荒唐無稽な話なのだろうか。

いや、医療で寿命が延びるというのは、私たちはすでに目の当たりにしている。ほんの100年ほど前まで、人間は50歳や60歳で死ぬのが普通だった。

織田信長は死の前に「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり……」と詠んだが、1580年代は50年も生きられれば良かった時代だったのだ。

織田信長の時代まで遡らなくても、つい100年前まで結核や梅毒や腸チフスのような恐ろしい病気が蔓延し、怪我をしても現在のように外科手術が発達していなかったので、死ぬしかなかった。

それが今では80歳まで生きても何ら不思議な現象でもない。この長寿は医療の進化が深く関わっていることを否定する人はどこにもいない。

つまり、現代の医学も充分に人間の長寿化を促進させており、私たちの寿命は医療の進化で確実に30年は延びているのだ。だとすれば、バイオテクノロジーでさらに寿命が30年延びたとしても何ら不思議ではない。

いよいよ私たちは「寿命100歳以上」と考えなければならない時代に入りつつある。

もっとも長生きしたくない人もいるはずだ。長生きしたくないと考えている人は、医者に行かなければ短命を実現できるので長生きの心配をしなくても構わない。(written by 鈴木傾城)

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デビッド・シンクレア教授。老化を克服する医薬品の臨床実験が行われ、あと数年のうちに何らかの成果が現れる可能性が高まっている。

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