現金にこだわって日本を時代遅れにするのはもうやめるべき

現金にこだわって日本を時代遅れにするのはもうやめるべき
今、全世界が急激にキャッシュレスに向かって突き進んでいることに気付かなければならない。現金(紙幣や小銭)を使わない社会に向かっているのだ。

こうした動きはすべての国のすべての業態で広がっており、やがて「現金決済お断り」の店が普通になる時代と化す。

キャッシュレスの時代がなぜ重要なのかというと、キャッシュレスこそが次の時代の効率化と合理化の中心となり、この部分を掌握する企業や社会や国がいち早くスピード化・コスト削減・競争力向上を果たして次の時代の先頭に立つからだ。

たとえば、アマゾンでは「Amazon GO」をシアトルにオープンしているのだが、この店はレジに人がおらず決済が自動で行われる。つまり、客は店に入って欲しい商品を自分のカバンに入れて、そのまま店を出ればいい。

決済はどうするのか。請求や決済は、客のアマゾンのアカウントで自動的に行われる。こうした店が増えたら、レジに延々と並ぶ手間もなくなるし、財布を出したりしまったりする手間もなくなる。

技術的に、スピード化・合理化がキャッシュレスで実現するようになっているのである。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

現金にこだわることによって日本社会が時代遅れに

キャッシュレスを採り入れ、レジを無人化し、レジの店員を排除し、コスト削減とスピード化に対応して顧客満足度と利便性を極限まで高めているスーパーが自分の街にできたとする。

一方で相変わらずレジに並び、長蛇の列に耐え、前の人が現金を数えながら財布から入れたり出したりするのを待たなければならない昔ながらのスーパーもあるとする。

客観的に見て、どちらが次の時代に生き残るのか。当然のことながら、キャッシュレスを採り入れた店の方になるというのは誰でも分かるはずだ。

キャッシュレスは顧客にとって早く手軽で便利だというだけでなく、店側も回転を良くしたり、人件費が削減できたり、店員による現金の数え間違いのリスクをゼロにできたり、すさまじいメリットが生じる。

では、社会全体でキャッシュレスを推し進めている国と、相変わらず現金でやり取りして何も思わない国とでは、どちらが発展して次の時代のサービスや店舗が生まれるのか。

当然ながら、キャッシュレスを社会全体で推し進めた国が次の時代に相応しい国民や企業を生み出すことになるというのは自明の理だ。

今、全世界が「いち早くキャッシュレスを実現した国が、新しいサービスや業態を生み出して先行者利益を得ることができると気付いて、必死になってキャッシュレスのイノベーションを採り入れようと走り出しているのである。

ところが日本は何をやっているのか。

政治家から国民まで、まったく危機感もなければ次の時代を取りに行く野心的意欲(アニマルスピリット)も見えない。これは日本の将来にとって危機的な事態である。

なぜなら、日本人が現金(紙幣や小銭)にこだわればこだわるほど、日本企業は現金を管理するコストや人件費を背負わされて、グローバル的な競争に出遅れてしまうからだ。

日本のメガバンクはいつまで経っても旧態依然としているが、それは銀行の経営者が愚鈍であると共に、日本人があまりも現金にこだわるせいで、よけいな負担を日本の銀行が背負っているからでもある。

日本人は気づいていないが、日本人の現金志向は日本全体をじわじわと時代遅れにする元凶なのだ。社会も企業も人間も時代遅れになる。

キャッシュレス化を促すように啓蒙すべきでは?

多くの日本人が社会の動きが見えていないというのは、若年層も「クレジットカードを持っていたら使いすぎるので怖い」とか、「高額紙幣の発行を検討するように」と促す議員がいるのを見ても分かる。

たとえば、2018年2月16日の衆議院財務金融委員会で、自民党のある議員は「現在の流通残高における1万円札の割合から考えても5万円や10万円といった高額紙幣を発行すべきではないか」と発言したりしている。

キャッシュレスの時代に入ろうとしているのに「高額紙幣を発行すべき」というのだから実に間の抜けた感覚だ。本当に次の時代の行方が見えている議員であれば、このように言う。

「これからキャッシュレスの時代になるのに、日本人は現金にこだわりすぎる。政府は高額紙幣を廃止し、キャッシュレス化を促すように啓蒙すべきでは?」

日本の社会を見回すと、すでにキャッシュレスを実践している人々が生まれており、スマートフォンやアップル・ウォッチで決済を済ませている人も出てきている。

その一方で、未だに「必要ないからスマートフォンは持たない」とか「現金じゃないと安心できない」と言って、新しい時代を拒絶する人もいる。

今どきスマートフォンを使わないとか紙の新聞や書籍にこだわるというのは時代遅れも甚だしいのだが、60代に入ると25%近くの人が時代遅れになり、しかも時代遅れになっていることが自分で気付かない。

「目の前の60代が時代遅れなのかどうかは、その人がスマートフォンを持っているのか昔ながらの折り畳み携帯電話を使っているのかで判断できる」と私に教えてくれた人がいる。

折り畳み携帯電話をまだ使っているようであれば時代遅れの25%に入っており、もう時代を読む力も対応する力も失せていると言うわけだ。興味深い観察だ。

実際、70代になると50%近く、80代に入ると75%近くが時代遅れになることが分かっている。(ダークネス:自分自身の判断能力が低下すると見越して生き残る方法とは

日本は超高齢化社会なので、こうした時代の変化を拒絶する層が膨大に存在する。

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あなたは率先して現金を使わない生活にシフトせよ

キャッシュレス化の対応に遅れれば、日本という国も、日本の企業も、日本人そのものも世界の潮流に取り残されて競争力も低下してしまう。

だから、そこに気付いた人がやるべきことは「率先して現金を使わない生活にシフトする」ということである。

大袈裟でも何でもなく、それが日本を次の時代に引き上げる重要な行動となる。ひとりひとりが意識的にキャッシュレスにシフトしなければならないのだ。

私自身もそこに気付いてから、日本を時代遅れの国にしないために「現金を使わない方向」にシフトした。また、そうしなければならないのだと伝えるようにしている。

次の時代はキャッシュレスによって発展していくのに、日本だけが重要な金融イノベーションに乗り遅れて致命的に時代遅れになっては目も当てられない。

次世代の金融イノベーションは、インターネットが金融を取り込む動きとなる。決済はフィンテックによって進化し、仮想通貨の基盤となっているブロックチェーンが金融に取り込まれていく。

だから、次世代のキャッシュレスを徹底的に実践するためには、インターネットを使いこなし、さらにスマートフォンを所有するのが前提になる。

具体的にキャッシュレスを進めるためには、まずはクレジットカードやデビットカードやプリペイドカード等がきちんと使えなければならない。

その上でこのカードをスマートフォンに登録して、スマートフォンひとつで複数のカードを使い分け、管理できるようにしなければならない。

いくら使ったのか、残高はどれくらいなのかは、スマートフォンで瞬時に確認できるようにしておく。

そして、もうスーパーやコンビニやデパートや専門店では現金を出さずに電子決済で済ませ、キャッシュレスによる利便性を極限まで高められるようにする。

電子決済ができない店を淘汰させ、キャッシュレスによって世の中が回るように社会を作り替えることで国や企業は次の時代につながる。

資本主義の世界では金融を制する国が世界を制する。

その金融の世界がイノベーションによって急激に変わり、世界中がキャッシュレスで社会を効率化させてより高度に発展させようと動き出している。

私たち日本人がその潮流に気づき、どれほど多くの人がキャッシュレスに乗り出していけるかで国が成長できるかどうかが決まる。ひとりひとりの意識にかかっている。

日本人は現金主義を捨てられるのか。キャッシュレスに乗り込めるのか。日本企業は金融イノベーションで覇権をつかむことができるのか。

それは私たち日本人がどこまでキャッシュレスに対応できるか、どこまでまわりの人を説得できるかで次が決まる。現金にこだわって日本を時代遅れにするのは、もうやめるべきだ。(written by 鈴木傾城)

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アマゾン・ゴー。レジのない確信的な店舗はキャッシュレスで成り立っている。日本人がいつまでも現金主義でいると国も企業も人間も全部まとめて時代遅れと化す。日本を変えるためには私たちが意識的にキャッシュレスに乗り込む必要がある。

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