次の時代のサバイバルは「これ」が理解できるかどうかで決まってくる

次の時代のサバイバルは「これ」が理解できるかどうかで決まってくる

IT化、アウトソーシング、インターネット、スマートフォン、ロボット化、人工知能、ドローン、仮想現実、フィンテック、自動化。これらのイノベーションは人々を興奮させ、明るい未来が到来するように考える人がいる。

しかし、光があれば影もある。今、私たちの目の前で進んでいる急激なイノベーションは、人々を選別し、ふるいにかけ、用のない人間をどん底に突き落とす可能性がある。

これらのイノベーションには共通点がある。それは、すべて業務を「効率化」し、「雇用を排除する」という共通点である。

企業が革新的な技術を実用化するたびに、労働者は要らなくなって企業から追い出される。それぞれの企業が急激に推し進めているこの効率化は最終的には単純労働者を労働市場から排除していくことになる。

失業者にも生活があり、何とか食べていかなければならない。そのため、最終的には最低賃金だろうが何だろうが、生きていくためには賃金で妥協せざるを得なくなる。

妥協しなければ失業したままである。しかし、妥協したらワーキングプアとなる。技術革新に突き進んで「要らない側」に追いやられていくと、そんな社会で自分が押しつぶされることになっていくのだ。

技術革新で生き残る側か、それとも犠牲になる側か。選別の時代に入ると言っても過言ではない。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

すべて「効率化」の対象になっていった

かつて、ほとんどの企業は自社の仕事を「内製」でしていた。

しかし、それはもう昔話だ。1990年代から爆発的に加速度を増して増えたのは、仕事を切り出して、外部に「アウトソーシング」するという動きだった。

余計な仕事を外部に頼んで、余計な人員を持たない。アウトソーシングは、まさに「効率化」の象徴だった。

これが2000年代に入るとうなりをあげて加速し、最終的に「国境を越えたアウトソーシング」にまで発達した。先進国の企業が、発展途上国の企業にアウトソーシングする動きが主流となっていったのである。

アウトソーシングというのは「外注」「外製」「外部委託」という日本語が充てられる。

外注に出す仕事というのは企業によって様々で、ひとつの仕事の中のほんの一部しか出さないという企業もあれば、ほとんどの業務を完全に外注してしまうという企業もある。

欧米ではこのアウトソーシングが徹底化していて、電話対応から、帳簿の作成から、プレゼンテーションの資料まで、すべてアウトソーシングの対象になっていった。

なぜ企業は仕事をアウトソーシングするのか。それは、経営の効率化のためである。さらに具体的な言い方をすると、コスト削減のためである。

たとえば、どこかの企業がソフトウェアを作ったとする。ソフトウェアには電話サポートが必要になる。

しかし、電話を受けるためだけに人を雇ったら経費が高くつく上に、そのソフトが陳腐化したときに雇った人間が要らなくなる可能性が高い。

だから、その業務をアウトソーシングして、むやみやたらに人を雇わず、人件費を浮かすのである。その企業のやり方は間違っていない。それが「効率化」だ。

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「人を雇わない」「安い給料でしか雇わない」

では、アウトソーシングする企業(外注先)はどのようにして決めるのだろうか。

もちろん、安かろう悪かろうでは話にならないので、信頼ができて、ほどほどに安いところが選ばれる。

しかし、いくつかの外注先があったとすると、そこには自然発生的に価格競争が生まれていく。そして、どうしても仕事が欲しい企業は、赤字スレスレで仕事を受けるようになる。

そうやって、一度価格が下がると、企業は「コスト削減」のために下がった価格でしか次も頼まない。そうすると、外注先はどんどん安い値段で仕事を受けざるを得なくなってしまう。

そこで、外注先の企業もまた利益確保のためにコスト削減を強いられ、最終的には人件費を何とかしなければならなくなる。

人件費削減で最も効果があるのは「人を雇わない」ことだ。IT化でもロボット化でも人工知能導入でも何でもやり可能な限り人を減らしていく。

外注に出す企業は、コスト削減で人を雇わない。
受ける企業も、利益確保のために人を雇わない。

ここでも「人を雇わない」という流れが生まれて来る。さらに、競争力を維持するために「安い給料でしか雇わない」という動きも同時に生まれている。

人を雇わない=失業者の拡大
安い給料=ワーキングプア

この時点で、失業者とワーキングプアの両方が生まれる。アウトソーシングという効率化のための1つの施策を見ても、「雇用の排除」が生まれ、失業者やワーキングプアを生み出すことが分かるはずだ。

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生き残る側なのか、それとも犠牲になる側なのか

2018年5月8日、グーグルは開発者イベントの中で、「グーグル・デュプレックス」という人工知能タスクを発表している。これはどういうものなのかというと、人工知能が店に電話して人間と会話しながら予約を取るというシステムである。

電話を受けた店側は相手が人工知能と分からないまま会話をするほど人工知能の精度が上がっている。逆に、これがコールセンターに取り込まれると、人々は人工知能と会話しながら製品やサービスのサポートを受けることになる。

もう電話の向こう側が人工知能という未来がそこまでやってきているのである。

こうした革新的なイノベーションによって効率化が成し遂げられると、ほぼすべての労働者がリストラの対象になる。

 

(1)IT化によって女性の事務職員が解雇の対象に。
(2)アウトソーシングによって庶務が解雇の対象に。
(3)インターネットによって中間管理職が解雇の対象に。
(4)ロボット化によって現場作業員が解雇の対象に。
(5)人工知能によって知的労働者が解雇の対象に。
(6)自動化によってルーチン作業の職員が解雇の対象に。

 

非効率はイノベーションによって急速かつ劇的に排除されて、労働者が大勢余るという時代があと数年でやってくる。第四次産業革命の時代に入る。

企業は様々な効率化を推し進めることによって人を採用しなくなり、失業やワーキングプアに苦しむ人たちが世の中に溢れるようになる。

IT化、アウトソーシング、インターネット、ロボット化、人工知能、自動化を手放しで賞賛する人も多いが、社会が変革していったとき、自分がその革新の犠牲になるかもしれない。

自分が生き残る側なのか、それとも犠牲になる側なのか。

そのような観点で技術革新を見る必要がある。そうしないと、次のイノベーションによって人生が破滅する。イノベーションが自分の味方である保証はないのだ。それは、あなたから職を奪う敵になるかもしれない。

備えなければならない。次の時代に社会から「要らない人間」の側にふるい分けされないために、ITテクノロジーの深い知識を身に着け、使いこなし、技術の向かう先が読める人間になっておかなければならない。

サバイバルは、ITテクノロジーを理解できる知識があるかどうかにかかっている。時代を変えるのはITテクノロジーなのだから、それを理解できていれば生き残れるというのは至極シンプルな話である。(written by 鈴木傾城)

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サバイバルは、ITテクノロジーを理解できる知識があるかどうかにかかっている。時代を変えるのはITテクノロジーなのだから、それを理解できていれば生き残れるというのは至極シンプルな話である。

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