アメリカと中国はすでに戦争状態に入ったのだ。日本人は早くそれを理解せよ

アメリカと中国はすでに戦争状態に入ったのだ。日本人は早くそれを理解せよ

中国共産党政権は「あらゆるものを盗んで発展する」というアンフェアなビジネスモデルを採用している。だからアメリカは、中国をグローバル経済から排除する決意を固めたのだ。それは今後いよいよ本格化していき、世界はアメリカと中国が「戦争」をしていることに気づく。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

どちらも相手を敵国として認識している

「アメリカと中国はすでに戦争状態に入った」ときちんと認識できている人は日本人の中でもほとんどいないはずだ。

中国は全世界から、特にハイテク強国であるアメリカから全セクターを標的にして全ツールを利用して、知的財産を侵害し、個人情報を抜き取り、アメリカの重要企業や重要な研究施設に工作員を潜り込ませて機密情報を抜き取っている。

言うまでもないが、中国は「あらゆるものを盗んで発展する」というビジネスモデルを展開している極悪犯罪国家なのである。(ダークネス:中国は「あらゆるものを盗んで発展する」という国家モデルを採用している

現在、アメリカはコロナ禍で巨大なダメージを受けているのだが、中国はアメリカが開発するワクチンの情報を盗み取ろうと画策していた。

こうした中で、起きたのがテキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖事件だった。この大使館は「テキサス医療センター」経由でコロナのワクチン研究情報を盗み取ろうとしていた。

総領事館がスパイ拠点として機能していたのだから、アメリカにとっては許しがたいことだったはずだ。これは自国にトロいの馬を仕掛けられたのと同じである。

オバマ前大統領なら泣き寝入りしていたかもしれないが、トランプ大統領は絶対に泣き寝入りなんかしない。毅然と行動する。それがヒューストンの中国総領事館の閉鎖となって現れたのだ。

これに対して中国はすぐに四川省成都市にあるアメリカ総領事館の閉鎖を行っている。互いに総領事館を閉鎖させるのだから、どちらも相手を敵国として認識しているということである。

【金融・経済・投資】鈴木傾城が発行する「ダークネス・メルマガ編」はこちら(初月無料)

3人に2人が中国に対してネガティブ

中国は莫大な資金をハリウッドに垂れ流して、ハリウッドを親中国化し「中国のプロパガンダ機関」として機能するように画策していた。

ハリウッドは金が儲かればどんな相手とでも組む体質なので、中国から金が入って来るのであれば、中国に尻尾を振って中国様に媚びる。脚本は中国の都合良いように作られ、俳優は中国を刺激しないように芝居をする。

言論の自由の擁護団体「ペン・アメリカ」は、ハリウッドが中国共産党政権に媚びて映画を自主検閲していると報告を出して、いかにハリウッドが中国べったりかのかを報告書で指摘した。

しかし、中国によるハリウッドを使ったプロパガンダで、アメリカ人が中国人を好きになったのかというと、まるっきり逆で、今やアメリカ人の3人に2人が中国に対してネガティブなイメージを持つようになってしまっている。

このイメージはもっと上がるかもしれない。

中国は、コロナウイルスを「アメリカ軍がばらまいた」と言ってみたり、ウイグルに激しい人権弾圧を加えておきながら「干渉するな」と脅してみたり、香港の一国二制度を踏みにじってみたりする。

それだけではない。「アメリカは台湾と関わるな」と叫んでみたり、南沙諸島に勝手に人工島を作って「この海域は自分たちのもの」と言ってみたりして、やりたい放題でアメリカの神経を逆なでしていく。

アメリカは、中国が発展したら民主化してフェアな国になると2015年あたりまで思っていた。しかしそれは間違っていた。中国共産党政権は発展すればするほど、凶暴になり、独裁化し、より無法化し、アメリカのありとあらゆるものを盗んでいくようになった。

アメリカは、やっと「中国共産党政権は普通ではない、民主的どころか、人類としての価値観さえも違う異常国家だ」と気づくようになった。そして、トランプ政権になってから、アメリカは激しい勢いで中国をグローバル経済から切り離す動きに出た。

【ここでしか読めない!】『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』のバックナンバーの購入はこちらから。

常識で考えてもあり得ないこと

アメリカはファーウェイやZTEのような危険なスマートフォンをアメリカから排除しようとしているだけでなく、いまや「TikTok」や「WeChat」のような危険なアプリも禁止しようとしている。

「TikTok」については、アップルがセキュリティを強化したiOSのベータ版を出したら、このアプリが文字を入力するたびにクリップボードの内容をペーストしていたということが判明している。

問題は「TikTok」だけではない。中華アプリは裏で何をやっているのか分からない不気味さ、恐ろしさがある。しかも、サーバーが中国になるのなら、アプリが正常に動いていても個人情報はサーバーからすべて中国共産党政権に漏れていく。

ポンペオ国務長官はこのように言っている。

「中国製アプリは我々のプライバシーを脅かし、コンピューターウイルスをまん延させ、プロパガンダや偽情報を拡散させる」

私自身の感覚で言えば、中国製のアプリも危険だが、それよりももっと危険だと思うのは「中国製クラウド」の方だ。

アリババ、バイドゥ、テンセント等の中国の巨大企業がクラウドサービスを立ち上げて世界に進出しようとしている。もちろん、日本市場も侵略されつつある。

たとえば、アリババ・クラウドなんかは、ソフトバンクが「SBクラウド」という仮面をかぶせて、三井住友銀行に使わせたりしているのだ。

企業内に「セル」と呼ばれる中国共産党政権の部署があるような企業のクラウドに個人や企業が情報を預けるというのは、もはや自殺行為と言っても過言ではない。

トランプ政権は、こうしたところからアメリカの知的財産が漏れることを強く警戒している。「敵」のサーバーに個人情報や機密情報を預けるなど、常識で考えてもあり得ないことである。

ダークネスの電子書籍版!『邪悪な世界の落とし穴: 無防備に生きていると社会が仕掛けたワナに落ちる=鈴木傾城』

アメリカと中国はすでに戦争状態に入った

2020年8月5日。アメリカは、米国内通信分野における中国企業の排除に「クリーン・ネットワーク」計画を協力に推し進めることを発表した。以下の5つの分野から中国を排除して「クリーン」にする。

1. 「通信キャリア」から中国を排除する。
2. 「アプリストア」から中国を排除する。
3. 「スマートフォン」から中国を排除する。
4. 「クラウド」から中国を排除する。
5. 「海底ケーブル」から中国を排除する。

アメリカは、中国共産党政権の「あらゆるものを盗んで発展する」というアンフェアなビジネスモデルを徹底的にグローバル経済から排除していこうとする決意をしていることが、このクリーン・ネットワーク計画で分かるはずだ。

アメリカが目指しているのは、まぎれもなく「中国の排除」なのだ。

これとは別に、アメリカは中国企業がアメリカの株式市場に上場できないように動いている。アメリカの株式市場から全世界の資本家の資金を集めて、それが知的財産の強奪に使われるというのはアメリカにとっては許されないことだからである。

俯瞰して見ると、「アメリカと中国はすでに戦争状態に入った」と理解できるはずだ。まだ、それに気づいていないのは、平和ボケしている日本人だけなのかもしれない。

これだけ中国が危険かつ傲慢な国であるというのが分かっているのに、日本の政治経済の中枢には中国べったりの「親中派」が幅を利かせている。アメリカ以上に中国人の工作員がうようよしているのに、いまだスパイ防止法すらも制定できない。

日本政府がアメリカ政府と同じくらいの危機意識を持てる日は、果たして来るのだろうか?

鈴木傾城のDarknessメルマガ編

CTA-IMAGE 有料メルマガ「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」では、投資・経済・金融の話をより深く追求して書いています。弱肉強食の資本主義の中で、自分で自分を助けるための手法を考えていきたい方、鈴木傾城の文章を継続的に触れたい方は、どうぞご登録ください。

アメリカカテゴリの最新記事