日本人が「これ」に気付かないと、中国はやすやすと日本を侵略してしまうだろう

日本人が「これ」に気付かないと、中国はやすやすと日本を侵略してしまうだろう

日本人は「戦ったらいけない、平和が大事」と思っている。そのため、日本を侵略するような敵が登場しても戦う状況になるのを避ける。敵が台頭しても見て見ぬフリをするしかない。敵が侵略を始めても「まぁ大丈夫だろう」と自分で自分を無理やり納得させようとする。なぜそうなるのか?(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

共産主義と自由主義諸国との「最終戦争」になるのではないか

かつて、共産主義の総本山はソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)だった。しかし、1991年にソ連が崩壊した後、共産主義の総本山は中国(中華人民共和国)へ移り、この中国が天安門事件以後、欧米の技術と資本を飲み込んで強大化するようになって今に至っている。

中国は習近平国家主席になってから一党独裁をどんどん強化するようになって、いまや世界最悪の無法国家としてアメリカに並び立つようになった。

当初、自由主義諸国は、「中国が経済発展したら政治体制も国民意識も民主化する」と鷹揚に構えていたのだが完全に裏切られた。中国は知的財産の徹底的な侵害と策略と賄賂によって世界をどんどん侵略していき、アメリカをも恫喝するようになっていったのだ。

オバマ政権は中国に対して何もしなかった。しかし、こうした中国の姿に真っ向から異議を唱えて激しい貿易戦争を仕掛けたのがドナルド・トランプ前大統領だった。トランプ大統領になってアメリカは明らかに中国に対する態度を変えた。

2020年の大統領戦挙を経てジョー・バイデン氏が新しい大統領となったのだが、中国に対する警戒心や圧力は意外に変わっておらず、アメリカは超党派で中国を「敵国」であると認定しているのが確認された。

アメリカは中国を潰すつもりだ。中国が共産主義の総本山であるならば、恐らくこれは共産主義と自由主義諸国との「最終戦争」になるのではないかという予感もある。私自身は米中戦争は必ず起こり得ると考えている。

アメリカvsチャイナ
資本主義vs共産主義

この巨大で危険な戦いはドナルド・トランプ大統領時代が始まった2016年から、すでに幕を切って落とされているのである。これはまさに「文明の衝突」だ。

衝突である以上は、いずれは兵器と兵器が、兵士と兵士が正面衝突するリアルな戦争が起こってもおかしくない。

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中国はありとあらゆる地域で問題を引き起こしている

中国発コロナウイルスは、中国の武漢から発生したウイルスである。このウイルスは当初から根強く「中国のウイルス研究所が生物兵器として研究開発していたものが漏れた」という説が飛び交っていた。

中国共産党が情報を隠蔽するのはいつものことだが、「金のことしか考えていないあの中国」が、経済を二の次にしても壮大な都市封鎖をして人々を閉じ込めたのは、それだけ漏れたコロナウイルスの危険性を認知していたからである。

中国がこうした生物兵器も開発研究しているというのであれば、中国は「文明の衝突」で実際の戦争が起きた時、いくらでも生物兵器を使う可能性のある危険な国家であるということが言える。

このような危険な国家が膨張主義を取っており、東南アジアや南シナ海や尖閣諸島を軍事的な威嚇で侵略している。それだけではない。中国はありとあらゆる地域で問題を引き起こしている。

  • ウイグルでも民族浄化が行われている。
  • チベットでも民族浄化が行われている。
  • 内モンゴル自治区ではモンゴル文化破壊が画策されている。
  • 香港を完全に飲み込もうとしている。
  • 印中国境では中国軍がたびたび侵略を行っている。
  • 台湾を威嚇して様々な工作で飲み込もうとしている。
  • 一帯一路で世界中の途上国を植民地にしようとしている。

どの問題も非常に深刻なものである。だからアメリカは2016年に中国に対する態度をガラリと変えたのだ。

日本政府のように「分析中」だとか「遺憾だ」とか「注視する」とか「監視体制を強化する」とか「動向見極める」とか「重大な関心を持って見守る」とか、口だけの対応をしていると、世界はそっくり中国に飲み込まれてしまいかねないほどの勢いで進んでいる。

日本人も今まではまるで他人事のように考えていたのだが、尖閣諸島だけでなく、沖縄や北海道も狙われ、人口侵略も着々と進められていく中で中国に対する意識は徐々に変わろうとしている。

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「世界の中心は中国なのだから世界は中国に従え」という全体主義

中国は自らを「中華人民共和国」と言っているのだが、この「中華」というのは「世界は中国を中心にして回っている」という傲慢な自意識過剰から始まっている。

「世界の中心は中国なのだから世界は中国に従え」という全体主義思想の象徴が「中国」という言葉なのだ。

もうひとつ、「中華」には「中国こそが文明で他は野蛮」という意識も込められている。自国を自画自賛し、他国を野蛮・劣性であるとさげすむ。野蛮な国家や人間など裏切っても蹴り飛ばしてもいいと考える。

この利己主義・自国中心主義こそが、中国の極端で救いようのないエゴイズムを生み出しているのである。

自分は周辺国を好きに侵略してジェノサイドを起こしているのに、それを咎められると「内政干渉だ」と逆ギレするこの傲慢不遜はまさに「中華思想」そのものである。独善なのである。

もし、中国が本当に素晴らしい国で、強大な力を持ちつつ強大な文化も持っているのであれば、世界中の人たちは「中国の文化」を学び、楽しみ、そして真似して取り入れたはずだ。

しかし、欧米諸国や世界の若者たちは、今の中国の文化を見ても誰も中国文化を取り入れないし、真似することもないし、語ることもない。中国にはチャイナナイズさせるような文化など「何ひとつない」のである。

つまり中国にはソフトパワーなどどこにもない。経済や軍事だけは突出していたとしても、中身が空っぽの国なのだ。そもそも今の中国で生まれているものは、すべて他国から窃盗して劣化コピーしたものに過ぎない。

劣化コピーを押しつけられて喜ぶ人間はいない。だから、中国の文化なんか押しつけられても誰も喜ばない。

しかし、こういう国がいまや途方もない全体主義の野望を発揮して世界を蹂躙しようとしているのである。実際に、周辺国は次々と暴力的な手段で中国に侵略を仕掛けられ、破壊されようとしている。

あまりにも危険な国家の台頭がここにある。

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なぜ日本人は危険を察知する能力が失われてしまったのか?

アメリカは中国が凄まじく危険な国であることに気付いた。しかし、日本人だけがそれに気付いていない。いや、薄々「何か変だ」という気持ちが芽生えているのだが、まだ「話せば分かる」「敵ではない。経済的にはパートナー」という気持ちでいる。

日本がいつになったら目覚めるのか分からないのだが、もし日本が中国の本当の意味の危険な正体に気付かないのであれば、日本もまたチベットやウイグルや香港のようにどんどん侵略されて、虐殺の対象になってしまうだろう。

その時に国際社会に助けを求めても、国際社会が助けてくれるのかどうか分からない。まったく期待できないかもしれない。

考えて見て欲しい。チベットやウイグルが再三「助けて欲しい」と世界に向けて訴えても、世界は中国との貿易や中国市場の方を重視して、チベット・ウイグルをずっと見捨ててきた。

今でも世界は本腰を入れて、チベット人やウイグル人を助けようとは思っていない。「中国様」の機嫌を損ねたら経済的な報復を受けるので、今も多くの国が中国に及び腰である。

だとしたら、日本が侵略されて日本人が大虐殺されるような事態になっても、日本人が世界から見捨てられても不思議ではない。

私は日本人があまりにも、中国共産党を見くびっているように見えて仕方がない。いったいなぜ日本人は、ここまで危険を察知する能力が失われてしまっているのだろうか。「平和ボケ」の根幹原因は何なのか?

日本人は1945年の敗戦から武力を放棄し、憲法第九条の「武力による威嚇又は武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する」「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」を金科玉条のごとく守り、そこで思考停止している。

「何があっても戦ったらいけない」と思っている。そのため、日本を侵略するような敵が登場しても戦う状況になるのを避ける。敵が台頭しても、見て見ぬフリをするしかない。

そして、敵が侵略を始めても「平和が大切」と刷り込まれているので、「まぁ大丈夫だろう」と自分で自分を納得させようとする。憲法第九条がそうした意識を補強する。

日本人がまったく現状認識ができなくなって平和ボケで脳が腐ってしまっているのは、憲法第九条の呪縛ではないのか。一刻も早くそれに気付かないと、中国はやすやすと日本を侵略してしまうだろう。

書籍
『中国の正体: 知ってはいけない「歴史大国」最大のタブー(黄 文雄)』

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