日本のあらゆる問題を解決するために、とにかく早く「多子化社会に転換せよ」

日本のあらゆる問題を解決するために、とにかく早く「多子化社会に転換せよ」

いったい何の理由があったのか知らないが、1990年代以後の日本の歴代内閣はすべて少子高齢化を放置し続けてきた。その結果、日本はどんどん萎縮して、その萎縮が年金問題や、高齢者介護問題や、イノベーションの遅れや、侵略の脅威という問題を引き起こしている。だからこそ、今の日本の政治家がやらなければならないのは、とにかく日本を「多子化社会に転換させること」なのである。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

日本政府は諸問題に対して驚くほど「何も」しなかった

日本は衰退する、日本は影響力を喪失する、日本はイノベーションが消える、日本は内需が縮小する、日本の地方は縮小して壊死する、日本は経済大国からすべり落ちる、日本は侵略される……。

こうした危惧は10年も20年も30年も前からずっと言われ続けてきたが、日本政府は「何も」しなかった。驚くほど何もしなかった。

もしかしたら、どうやったら日本を復活させ、影響力を取り戻し、イノベーションが活性化し、内需を取り戻し、地方を復興し、侵略を阻止し、日本そのものを経済大国に復帰させるのか、その「シンプルな方法」を知らなかったのかもしれない。

日本の問題を解決するのは、実は簡単なのだ。たった一言(ひとこと)で解決方法を言うことができる。

「多子化社会に転換せよ」

それだけなのだ。子供が呆れるほどいる社会、子供がたくさん生まれる社会、子供を容易に産み育てられる社会。そういう社会を作り出す。信じられないかもしれないが、それで10年後、20年後の日本は驚くほど活性化する。

日本の影響力を増大させたければ、若い人口を増やせばいいのである。

若い人口が多ければ多いほど影響力は増す。発言力は強まる。声が大きくなる。市場も巨大化する。そして、世界は日本を無視できなくなる。影響力がどんどん強まる。若い人口が多ければ多いほど良い。それが将来の影響力増大になる。

日本からイノベーションが消えるというのであれば、若い人口を増やせばいいのである。

若い人口が多ければ多いほど、新しいこと、新しい社会、新しい文化、新しい世界を構築しやすくなる。若者は柔軟な発想で今の社会問題に切り込むことができる。高度情報化社会にも楽々と乗れる。若い人口が多ければ多いほど良い。それでイノベーションは爆発的に起こる。

【金融・経済・投資】鈴木傾城が発行する「ダークネス・メルマガ編」はこちら(初月無料)

日本が抱えている様々な問題の答えは非常にシンプルなのだ

日本から内需が消えるというのであれば、若い人口を増やせばいいのである。

若い人口が多ければ多いほど、消費活動は活発になり、企業活動も活性化し、地域に活気が戻る。

若者は欲しいものがたくさんある。買いたいものがたくさんある。消費したいサービスがたくさんある。食べたいものもたくさんある。若い人口が多ければ多いほど良い。それで内需はうなぎ上りに増大していく。

日本の地方が縮小して壊死するというのであれば、若い人口を増やせばいいのである。地方でどんどん子供が増えれば、地方はたちまち息を吹き返す。地方は活性化する。地方で新しい文化が花開く。地方が面白くなる。地方が競争力を得る。地方に新しい郊外都市も生まれる。

日本が侵略されないためには国防も必要だが、根本的には若い人口を増やせばいいのである。人口が増えれば増えるほど侵略は困難になる。単純に考えてみればいい。たとえば人口100万人の国を侵略するのと人口1億人の国を侵略するのはどちらが困難だと思うだろうか。もちろん人口が多い方だ。

武力で侵略するとしても、内部工作で侵略するとしても、人口が多ければ多いほど侵略の難易度が増える。人口の多さに対抗するためには侵略する側も多大なコストがかかるからだ。

人口5000万人の国よりも1億人の国を攻略する方が大変なのだ。1億人の国よりも2億人、2億人の国よりも3億人の国の方が攻略するのが大変だ。人口は多ければ多いほど攻略が難しい。

また高齢者ばかりの国よりも若者が多い国の方が侵略は難しくなる。なぜなら、若者はエネルギーもあり、反発心もあり、体力もある。若者は一直線に突っ込んでいく。若者が多い国を怒らせると後が大変なのだ。

若い人口が多いというのは、それだけで国防になる。そして、侵略に対抗できる。若い人口が多ければ国力が高まる。そして、それがあらゆる問題を解決していくことになる。年金問題も、介護問題も、若い人口が多くなれば自然と解消する。

日本が抱えている様々な問題の答えは非常にシンプルなのだ。

【ここでしか読めない!】『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』のバックナンバーの購入はこちらから。

「多子化社会へ転換」は繁栄の道だと言うのは小学校でも分かる

日本の問題を解決したいのであれば、さっさと多子化社会に転換すればいい。逆に、それ以外の解決方法はない。

私に言わせれば、政治家や官僚はみんなまとめて頭が悪いとしか思えない。日本の問題を場当たり的に対処しているだけだからだ。「多子化社会へ転換」が問題のすべてを解決すると、いつまで経っても気付かない。

「1+1=2」と同じくらいシンプルな解決方法が目の前にあるのに、まったくそれに気づかないで的外れな政策や法案ばかり提出してまったく何もしない。いったい今の政治家の知的レベルはどうなっているのかと思うほどどうかしている。

30年間、少子高齢化を放置してきて日本の諸問題がどんどん深刻化しているという現状を確認したのであれば、さっさと「多子化社会へ転換」を国家最優先事項として提唱して、それに向かってあらゆる法案を提出し、社会の方向性を変えていけばいいのである。

インバウンドで外国人を増やしておこぼれをもらうとか、途上国の若者を連れてきて低賃金で酷使するとか、そんな持続不能の成長に血道を上げていないで、「多子化社会への転換」を強力に推し進めていけばいい。それで、自ずと日本のGDPは成長していくのだから、それを目指せばいいのである。

訪日外国人6000万人目標ではなくて、人口増加6000万人目標を目指した方がずっと日本のためになる。日本の影響力を高めつつ、日本を内部から繁栄させる基礎を多子化社会が担うことになる。

外国人が6000万人来てもしょせん日本文化をつまみ食いして帰るだけだが、日本人が6000万人増加したら日本文化を担う人材が6000万人増えて国力の地盤になる。

人口なら6000万人と言わず、「2倍にする」「3倍にする」とぶち上げてもいい。外国人を増やすのと、どちらが将来の日本にとって有効なのか、誰が考えても分かるはずだ。

どうして、日本を憂う日本人がそれに気づかないのか、どうして日本の未来を真剣に考えている人たちがそれを提唱しないのか私はまるで分からない。単純明快な結論がそこにあるのであれば、あれこれ回り道しないで一直線にやるべきことをやればいいだけの話なのである。

少子高齢化は亡国の道だ。だからこそ、その逆の「多子化社会へ転換」は繁栄の道だと言うのは、それこそ小学校でも分かるはずだ。

ダークネスの電子書籍版!『邪悪な世界の落とし穴: 無防備に生きていると社会が仕掛けたワナに落ちる=鈴木傾城』

いろんな問題が「多子化社会へ転換」することで解決していく

日本の企業は組織体制が硬直して時代についていけておらず、どんどん取り残されていっているという声がある。どうすればいいのか。「多子化社会へ転換」すると若者の声が大きくなる。あるいは若者が経営者になりやすくなる。そうすると、硬直した組織も柔軟になる。

日本の政治家は高齢者ばかりでやはり時代についていけず、どんどん取り残されていっているという声がある。どうすればいいのか。「多子化社会へ転換」すると政治家もどんどん若返る。政治もそうやって変わっていく。

日本の株式市場はいまだにバブル頂点の3万8915円を抜けていない。どうすればいいのか。「多子化社会へ転換」し、人口を2倍にも3倍にもしたら内需も2倍にも3倍にもなって、売上も2倍にも3倍にもなるのだから、あっという間に日経平均3万8915円など抜く。

いろんな問題が「多子化社会へ転換」することで解決していく。

「多子化社会へ転換」と言うと「社会学的に先進国では少子高齢化が進むので日本を多子化社会へ転換するのは無理ではないか?」としたり顔で言う人も出てくる。政治家がそれを言うなら、どうかしている。それを何とかするのが政治であり、政策であり、国家方針なのだ。

その前に、日本が「先進国」という認識はまだ正しいのか?

バブル崩壊以後の30年、日本人は貧しくなる一方で、若年層の境遇を見るともう「先進国」だという認識は「古い」のかもしれない。日本がまだ先進国であると思っているのは高齢層だけで、若年層はもうそう思っていない。

そのうちに、少子高齢化の放置したツケとして社会保障費の削減が本格化していくと高齢層まで暮らしていけなくなり、日本は若年層から高齢層までが「もう先進国ではなくなった」と思い知るようになるだろう。

いったい何の理由があったのか知らないが、1990年代以後の日本の歴代内閣はすべて少子高齢化を放置し続けてきた。

その結果、日本はどんどん萎縮して、その萎縮が年金問題や、高齢者介護問題や、イノベーションの遅れや、侵略の脅威という問題を引き起こしている。

だからこそ、今の日本の政治家がやらなければならないのは、とにかく日本を「多子化社会に転換させること」なのである。日本を、未来のある楽しく明るい国にするには「多子化社会へ転換」がどうしても必要だ。

子供が呆れるほどいる社会。
子供がたくさん生まれる社会。
子供を容易に産み育てられる社会。

そのような社会を作り出す。ありとあらゆる政策と法案でそれを成し遂げられる政権が本当の意味の救国政権であり、それを訴える議員が本当に日本を想っている真の愛国議員であると私は考えている。

ちなみに、1941年から1944年までの日本を担っていた東條英機内閣は人口こそが日本の「力」であることを知っていた。だから、人口増加政策を国策として行っていた。東條英機首相は知っていたのだ。人口が日本を大国にすることを……。

『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか? 結婚・出産が回避される本当の原因(山田 昌弘)』

鈴木傾城のDarknessメルマガ編

CTA-IMAGE 有料メルマガ「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」では、投資・経済・金融の話をより深く追求して書いています。弱肉強食の資本主義の中で、自分で自分を助けるための手法を考えていきたい方、鈴木傾城の文章を継続的に触れたい方は、どうぞご登録ください。

一般カテゴリの最新記事