韓国選手団が反日横断幕を掲げた時、すぐに2人の若者が韓国選手団に向かって大音響で「帰れ」と抗議した。韓国の大手マスコミはこの2人の抗議を全面トップでと報道し、韓国国内でこの2人は韓国抗議の最前線に立つ「極右」として大きくクローズアップされた。(鈴木傾城)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)
あらゆる方向で韓国は「反日活動」を一気に押し進めてきた
東京五輪の選手村に韓国人の選手団がやってくると、いきなり韓国選手団がベランダの壁面に韓国国旗と、嫌がらせの反日横断幕を掲げるという暴挙を行った。
この反日横断幕は、韓国では反日の英雄であるとされている李舜臣の言葉をもじって『臣にはまだ5000万国民の応援と支持が残っております』と書かれていた。
反日の象徴を選手村に掲げる……。それは紛れもなく五輪憲章第50条に違反している行為であったが、韓国はあえてそれを分かっていてやったのだ。まさに言語道断の行為であった。
しかし、韓国側は「毎回オリンピックの度に横断幕を掲げているため、問題にならない」と開き直り、五輪憲章第50条に違反している自覚さえも持とうとしなかった。
さらに、これに合わせて韓国国内では大学教授のソ・ギョンドクという有名な反日活動家が「旭日旗は戦犯旗であることを広める計画を立てている」とメディアで宣伝し始めるようになった。
旭日旗は昔から使われていた日本の大切な旗である。これを韓国人の教授だか何だかが、「旭日旗=戦犯旗であることを全世界に知らせる」とよく分からない活動をしているのである。
それだけではない。韓国の大韓体育会という組織は「福島県産などの食材を食べるな」と選手に指導し、勝手に「給食支援センター」を開設して希望する選手のために弁当を作って選手村に届ける活動を始めた。
あからさまに、福島への風評被害を煽り立てるような言い草である。あらゆる方向で韓国は「反日活動」を一気に押し進めてきた。
【金融・経済・投資】鈴木傾城が発行する「ダークネス・メルマガ編」はこちら(初月無料)
「いち早くソウルなり釜山なり韓国に帰りなさい」
韓国の反日横断幕が日本のメディアに掲載されても、多くの日本人は韓国のやっていることに怒りは感じても直接的抗議はしなかった。政治家も個人的には「腹立たしい」とはつぶやいていたものの、韓国に対して具体的なアクションをかけることもなかった。
「何をやっても日本人は泣き寝入りする」という、悪しきパターンがここでも繰り返されようとしていた。
しかし、韓国のやりたい放題の反日言動に「こんなのは許せない」と立ち上がり、反日横断幕を掲げる韓国選手団に向けて直接「即時、帰国を求める。ここまで来たら日韓断交しかない」と選手村の前で抗議した2人の若者がいた。
九十九晃《つくも・あきら》、そして山本和幸《やまもと・かずゆき》の2人である。
いずれも日本国民党の党員だが、2人は反日横断幕がメディアで報道された翌日にはもう選手村に飛んでいき、韓国選手団が寝泊まりする棟の前で抗議活動をしていたのだった。
『韓国選手団は反日横断幕を掲げて文在寅政権と共に韓国の反日を煽る行動を続けている。私はそのことを持って、まずは韓国選手団の皆さんに、お前らはさっさと帰りなさいと……、韓国は要らないから、いち早くソウルなり釜山なり韓国に帰りなさい、と警告をしにやって参りました』
九十九はそう叫んでいる。
『今、この反日横断幕を外さないのであれば、ただちに韓国選手団は荷物を片づけてすぐに羽田空港でも成田空港でも行って帰国して、東京オリンピックをボイコットしてもらって、そして韓国内で大きな攻撃を受ければいいんですよ! そのために日本国民も大きく大きく、この韓国の反日扇動、これに対して抗議の声、怒りの声を上げなければならない!』
山本和幸も旭日旗を手に叫び、韓国選手団に日本人の抗議の声を大音響で轟かせたのであった。
【ここでしか読めない!】『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』のバックナンバーの購入はこちらから。
韓国抗議の最前線に立つ極右としてクローズアップ
韓国の大手マスコミはこの2人の抗議を全面トップで「日本国民党が旭日旗を持って韓国選手団に抗議」と報道し、韓国国内でこの2人は韓国抗議の最前線に立つ「極右」として大きくクローズアップされた。さらに、それが日本語でも翻訳されて日本のヤフーでもトップニュースとなった。
日本国民党と言えば、2012年にソウルの慰安婦像に「竹島は日本固有の領土」と書かれた杭を縛りつけた鈴木信行が代表をしている政党であることが報道されると、韓国国内での報道は一段とヒートアップした。
鈴木信行は反日の韓国人にとって「史上最悪の天敵」なのである。さらに、ここに九十九晃と山本和幸まで加わった。
ソ・ギョンドク大学教授も国際オリンピック委員会(IOC)に「日本国民党のメンバーらが五輪選手村の前で行っているデモに対して、強い警告と注意を通じて再発防止に向けた最善の努力を尽くせ」と抗議メールを送る大騒動に発展した。
このように、韓国では九十九晃と山本和幸の抗議行動が大波乱を巻き起こしているのだが、日本の大手マスコミだけは震え上がって2人のことは完全に無視を決めている。まったく触れようとしない。
韓国のことを何でも報道する媚韓のマスコミは、「韓国様」に楯突く日本人については、韓国の反応が怖くて決して報道しないのである。
「韓国側はナショナリズムが高揚するこのオリンピック期間中に、日本ディスカウントを次々と仕掛けるのではないか」というのが山本和幸の見立てである。
そうであれば2021年8月8日まで、この韓国の陰湿極まりない反日言動が続き、韓国抗議の最前線に立つ部隊と化している日本国民党の闘争は激しく続くのではないか……。7月25日、私はこの渦中の2人、九十九晃と山本和幸に話を聞いている。
ダークネスの電子書籍版!『邪悪な世界の落とし穴: 無防備に生きていると社会が仕掛けたワナに落ちる=鈴木傾城』
日本は民主主義国家。憲法21条で集会の自由、言論の自由がある
私が興味を持ったのは、この抗議と街宣は反日横断幕が掲げられたと報道された翌日の朝には、もう九十九晃と山本和幸が選手村に乗り込んで大音響で選手団に抗議の声をぶちかましている「機動力」であった。
九十九晃は、かねてから突風のような行動力と機動力に定評がある右派活動家なのだが、実は反日横断幕の報道があった翌日の朝にはもう党として抗議活動に取り組むという方針が決まったのだという。
「15日に反日横断幕の報道があって、翌日の朝8時に鈴木代表に会って反日横断幕の話をして、これカチンと来たので街宣をかけたいんですけどと話したら、これは党としてやろうという流れになりました。それで、朝に街宣が決まってすぐに行ったんです。8時に鈴木代表に会って、9時半には山本さんと車に乗っていました」
九十九はそう言った。もちろん、現地の状況や警備がどうなっているのかは行くまで分からない「ぶっつけ本番」である。
車を運転したのは、山本だった。オリンピック期間中なので恐らく警備が厳しく、街宣ができても10分ほどだと考えていたという。ところが、すぐに止められることもなく思いのほか街宣ができてしまったという。
「警備の人はいたのですが、誰も止めないで見ているだけで、機動隊も出てくるのかと思ったら来ませんでした」と九十九は言った。
「このような街宣って、前もって警察なりに言わなくていいのですか?」
「日本は民主主義国家です。憲法21条で集会の自由、言論の自由がありますから……」
山本は人懐っこい笑みを浮かべて私に答えた。
「もちろん、前もって言っておけばお巡りさんも嬉しいんでしょうけど、緊急抗議の時にいちいち電話なんかしている暇なんかないじゃないですか」
九十九もそう答えた。
【マネーボイス】読むと世の中がクリアに見える。鈴木傾城の経済を中心とした必読の記事がここに集積。
夕方に来て再び街宣をした時、韓国のマスコミがいた
「場所的にはどうだったのですか?」
山本は「いったん車を停めて様子見て、これはいけるなと思ったので、ノボリを立てて、一番最前線の場所、韓国の選手団が泊まっている建物がある真向かいまで持っていって、そこでやりました」と言った。
九十九は頷き、「位置関係的に交差点のギリギリまで言ったら、韓国の選手の建物が一番手前にあったんです。声も届く。一階にいた奴らがそうだったのか分からないのですが、見える位置にはいました。一時間ほど正面のゲートでしゃべりました」と振り返る。
「街宣をやっているときに、建物からこちらを見たりする人はいたんですか?」
「一階からなんだなんだとのぞき込む人は何人かいました」
「抗議はあったんですか?」
「抗議はなかったですね」
いったん、朝の街宣を終えた2人は引き返して夕方に来て再び街宣をしたのだが、この時に韓国のマスコミがいて山本がマスコミ対応をした。韓国語なんかできないので、英語での会話だった。
この時に山本は自分たちの名刺と共に党代表の鈴木信行の名刺も持っていて、これをマスコミに差し出した。これによって韓国マスコミは、目の前の2人は自分たちが敵視している「日本国民党」の党員であることを知ったのだった。
この翌日に、マスコミは「極右政党・日本国民党が旭日旗を振り回して韓国選手団の横断幕に抗議している」と書き立てて一気に問題化した。
もともとケンカを売ってきたのは向こうですからね
「日本国民党の事務所にはマスコミから連絡があったりしたんですか?」
「向こうでは大手のテレビであるKBS、KBSって日本のNHKみたいなところですが、そこからだったり日本のTBSに該当するSBSというテレビ局とか電話がありました」
「抗議の電話とかあったんですか?」
「もちろん、ありましたよ。韓国語だったので、適当に聞いて切りましたけど。ファクスも来ています。よくやった、というファクスも来ております」
山本は一枚のファクスを見せてくれたが、韓国に対して抗議をしてくれたことを感謝する恐らく年配の方と思われる手書きのものだった。
批判は、メールやTwitterの方で入るのだという。日本国民党に対する賛否両論が入り交じっている。
「韓国選手団が政治を持ち込まなければ何もしなかったと思いますが、スポーツの場にも政治を持ち込んだから、抗議活動に打って出たというのがあります。それを強調したのが今回の街宣です」と九十九は言った。
「向こうが持ち出してきた横断幕は豊臣秀吉の朝鮮出兵のカウンターとして使っているわけで、これは十分に政治的なものです。旭日旗を持ち出すことには批判もあるのですが、旭日旗は別に政治的な旗ではなく、めでたいときにも使う旗なんです。旭日旗は韓国人に分かりやすい構図でやっています。もちろん日本人相手にはやっていませんからね」と山本が捕捉する。
オリンピック期間中に韓国がまた何かやれば、いつでも選手村でも韓国大使館でも抗議すると2人は言った。
「もともと韓国はオリンピックをボイコットするのではなく、参加して嫌がらせするのが戦術論としてありますからね」と山本が冷静に言った。嫌がらせを「戦術」として採っている以上はこれからも何かある。
「もともとケンカを売ってきたのは向こうですからね。やられたらやりかえしてやらないと気が済まないんで」
九十九はそう言って不敵に笑った。
九十九晃、そして山本和幸の2人は今、最前線に踊り出て反日を剥き出しにする韓国とのバトルを繰り広げている。今後、何が起こるのか分からないのだが、状況を注視して見ていきたいと思っている。