2021年、飛び上がるほど嬉しかったのは、日本でもいよいよ紙書籍(ペーパーバック)が自ら製作・販売できる体制がAmazonで整ったことだ。これは私にとってはエポックメーキングともパラダイムシフトとも言うべき出来事だった。
いよいよ執筆から紙書籍まで、すべて自分で行えるようになったのだ。
日本ではほとんどの書籍はカバーがついて帯も当たり前になっているのだが、欧米ではカバーも帯もないペーパーバックがメインである。
洋書を読んでいる人はペーパーバックの方がむしろ馴染みがあるだろう。これを機に、日本でもいよいよ欧米の標準《デファクト・スタンダード》であるペーパーバックのスタイルが今後普及していくのではないかと思っている。
私自身は個人的に欧米のペーパーバックには憧憬のようなものもあったので、むしろペーパーバックが出せることに嬉しさがある。10月で紙書籍の販売が可能になってから、私はすでに4冊の作品をペーパーバック化しているのだが、質に関してはまったく問題はない。
作家自らが執筆だけでなく、電子書籍化のみならず紙書籍化まで可能になったというのは、凄まじいイノベーションであると心から感激している。
このイノベーションを起こしてくれたAmazonには素直に感謝している。Amazonも、その巨大さと破壊的イノベーションが日本にとっては脅威となっているが、Amazonという黒船で社会が変わる方に私は目を向けたい。
今はまだペーパーバック化が始まって2ヶ月も経っていないので界隈は静かだが、このイノベーションは2022年以後から出版環境を不可逆的に変えてしまうことを確信している。5年後、出版業界は今とまったく違う形になっているだろう。
どんどん変化していく世の中で生き残るために自分も変わる
とにもかくも、媒体を巡るこうした環境の変化が2021年に突如として訪れたので、インターネットを主戦場にしている作家である私もぼんやりしていられない。2022年からはブログを主戦場にするのではなく、全身全力で「作品」を生み出す方向に転じたいと思う。
「ペーパーバックライターに俺はなる」ブラックアジア続々とペーパーバック化!(ブラックアジア)
ダークネスは10年以上も毎日欠かさず更新してきたのだが、毎日の更新はTwitter(https://twitter.com/keiseisuzuki?lang=ja)に舞台を移し、今年からはこのブログの更新は不定期としたい。
ダークネスの内容も多岐に渡っているのだが、そろそろ内容ごとにペーパーバック化・電子書籍化すべき時期に入っている。『鈴木傾城のダークネス・メルマガ編』も電子書籍化・ペーパーバック化に向けてまとめたいというのもある。今年からこれも着手する。
ブロガーからペーパーバックライターに変化したい。
着手と言えば、今年は電子書籍化・ペーパーバック化と共に動画も本腰を入れてやらなければならないと考えている。
私自身はあまり表に出て動画で何かを主張するタイプではなく動画慣れもしていないのだが、私がどうであれ世の中は完全に動画にシフトしているわけで、インターネットのメインストリームも動画になっているのは言うまでもない。
そういうのもあって、どんどん変化していく世の中で生き残るためには私自身もやり方を変えざるを得ない。
確かに、ブログというスタイルは私自身の趣向に完全に合っていて非常に離れがたい。世の中が変わらないのであれば、私はブログを毎日書くスタイルを永遠に続けたい。私は作家であるが、本質はブロガーなのである。
ブロガーはブログを書いてこそ存在意義がある。
しかし世の中はとっくに変わってしまっており、いい加減に私も動画に適応しないと話にならない。そのため、ダークネスの動画版も頻繁にやっていこうと思っている。
動画は個人のサーバーでストリーミングするのは荷が重いので、YouTubeを使うつもりだ。ただYouTubeでは過激なことが言えないインフラなので、その点が気がかりなのだが、このあたりはギリギリで折り合いを付けるしかないと思っている。
このブログを書くのを完全に停止するわけではなく、ブログも不定期に続けながら、新たな展開をどんどんやっていきたいというのが今年の趣旨だ。実際に走ってみて、何か起きた時は走りながら考えようと思う。
変化なくして成長なし。今年はそのような気持ちで駆け抜ける。
鈴木傾城
令和4年1月3日