スマートフォンが使えない高齢層、パソコンが使えない若年層

スマートフォンが使えない高齢層、パソコンが使えない若年層

アメリカの調査会社「Pew Research Center」は、アメリカでもスマートフォンの普及でパソコン離れが進んでいることを報告している。

スマートフォンは今後もさらにインターネットにアクセスするための最初のデバイスとして選ばれ続け、パソコン(デスクトップ、ラップトップ)を隅に追いやっていくことになる。

このスマートフォンのディスプレイを大型化したのがタブレットだが、タブレットもゆっくりと確実にシェアを伸ばしていてパソコンを侵食している。

パソコンは持ち運びが容易ではない。重い上に、取り扱いが面倒だ。OSも遅い。その点、スマートフォンは手のひらにあって一瞬にして情報にアクセスすることができる。

さらに、スマートフォンで決済を簡単に行うこともできるので、その利便性はパソコンを凌駕してしまったと言っても過言ではない。

「スマートフォンを使うと馬鹿になる」と主張する馬鹿な高齢者もいるのだが、すでにスマートフォンで文明が再構築されている中で、このような愚かな主張をするのは時代遅れも甚だしい。

スマートフォンを使えない人間は、次の時代は文明の利便性をいっさい享受することができない人間と化す。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

次の時代に生き抜くための基本中の基本

スマートフォンを使いこなせるようになること、スマートフォンの機能の奥の奥まで知り尽くすこと、スマートフォン中心のライフスタイルに変化させることは、次の時代に生き抜くためには基本中の基本である。

ここができていないと、情報格差(デジタル・ディバイド)で最底辺に突き落とされることになる。文明がスマートフォン中心に再構築されている中で最底辺に堕ちるというのは、もはやまともな仕事ができなくなることを意味する。

若年層は、もはやスマートフォンを使うなと言っても使うだろうが、問題は時代遅れの中高年と高齢者だ。「使えなければ終わり」ということに気づいていないのだから、もはや救いようがなくなると言っても過言ではない。

しかし、ここでひとつのワナがある。

若年層はスマートフォンが使いこなせるようになり、スマートフォンで何でもできるようになったと思って、もはやパソコンに必要性を感じなくなっていく。だから、若年層の中には最初からパソコンに関心を持たず、使いこなすこともできないようになっていく。

いずれ、時代はパソコンを駆逐して、スマートフォンとその大型版であるタブレットですべての作業ができるようになるかもしれない。しかし、そこに至るにはまだまだ時間がかかる。

ということは、「重い作業」は相変わらずパソコンを使って行うのがメインであり、パソコンができないというのは、「パソコンは使えるがスマートフォンが使えない高齢者」の逆の意味で問題を抱えるのだ。

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低学歴で年収が低い人ほどパソコン離れが進んでいる

今後、インターネットがすべての産業を飲み込んでいく。時代は第4次産業革命に入って今とはまったく違う世界を作り出す。次の時代は今以上に「ITリテラシー」が重要な素養と化す。

分かりやすく言えば、「テクノロジーの知識を持つ」というのは、うまく生きられるかどうかの分岐点になるのである。

だから、「パソコンは使えるがスマートフォンが使えない高齢者」も「スマートフォンは使えるがパソコンが使えない若年層」もまずいのだ。どちらも使えるようにならなければならない。

アメリカの調査会社が指し示した統計には実は興味深い項目がある。アメリカでは、高学歴で年収が高い人ほどパソコンを保有する率が高く、逆に低学歴で年収が低い人ほどパソコン離れが進んでいる。

つまり、低所得層はスマートフォンかパソコンかの二者択一を迫られて、スマートフォンを選び取ってパソコンを捨てている。だから、パソコンの知識がまったくなく、やがては馴染むことすらも難しくなっていくのだ。

スマートフォンでは主にコンテンツを消費するのがメインであり、実際のところスマートフォンではちょっとした長文を打つことすらも難しい。できなくはないのだが、かなり疲労を感じさせる行為となる。

そのため、どうしてもスマートフォンだけではコンテンツの消費だけに終始して、コンテンツの制作側に回れない。そのための知識も習得できない。

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スマートフォンとパソコンの両方を深く知る

スマートフォンのアプリはスマートフォンで作るわけではない。パソコンで作っている。ウェブページも、ビジネス文書も、画像編集も、動画編集も、データベースも、次世代の社会の基盤となる技術はすべてパソコン側にある。

こうした処理の中にはメモリも容量もかなり消耗する作業が大量に含まれている。性能的にスマートフォンでは対応できない処理はパソコンしか選択肢がない。

さらに過去資産も多くはパソコン側にあって、それを完全に捨てきれるほどスマートフォンやタブレットは進化できていない。

そのため、今はまだ「パソコンを完全に捨てる」という選択肢を取るべきではない。むしろ、スマートフォンしか使えない若年層が増えている中では、スマートフォンと同時にパソコンにも深く注力していく必要がある。

スマートフォンとパソコンの両方を深く知るというのが本当の意味の「ITリテラシー」であり、時代が求めているものである。

パソコンがスマートフォンの大型版のタブレットに完全に置き換えられてしまうのか、それともパソコンという存在はこれからも重要なものであり続けるのかは分からない。しかし、10年以上はパソコンという存在は消えることはない。

だから、パソコンを極めるというのは今後も重要であり続ける。(written by 鈴木傾城)

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