戦後75年目に入った今、明らかに「次の戦争」が用意されようとしている

戦後75年目に入った今、明らかに「次の戦争」が用意されようとしている

アメリカは中国の総領事館を閉鎖させ、中国もアメリカの総領事館を閉鎖させ、対立はどんどんエスカレートしているのだが、これからも米中の対立は様々な部分で引き起こされて亀裂を深めていく。それこそ、アメリカが中国が勝手に作った南沙諸島で人工島の基地を爆撃して、いきなり戦争が始まっても不思議ではない事態となっているのだ。「米中の戦争勃発確率は75%」、「限定的な核戦争も起こる」ということだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

いつでも戦争できるように準備している

1945年から数えると今年は戦後75年の年になる。この75年で社会情勢は大きく変わっていった。特に1990年から時代は明確に変わっていったと思う。

この頃から中国が台頭していくようになり、世界中の知的財産を意図的に侵害しながら経済成長し、2010年代に入ってからは経済的にも軍事的にもアメリカを脅かすようになった。

中国共産党政権は常々「中国は平和的台頭を望んでる」と言うのだが、実際には核弾道ミサイルを大量に増やし続けており、核ミサイルをアメリカ・日本・ベトナム・インドのような国々に向けていつでも戦争できるように準備している。

体艦弾道ミサイルも保有し、地球高軌道ミサイルも保有し、大陸間弾道ミサイルを搭載した原子力潜水艦を保有し、着々と軍事力を拡大させている。そして、周辺国の領土を侵略し、少数民族を弾圧して「中国の領土」を拡大しつつある。

その様子を見ると、とても「平和的台頭」とは言い難い。

アメリカはこうした中国の動きに強い危機感を抱いている。アメリカはこの75年で「ソ連」「イスラム系テロリスト」という敵と対峙してきたが、今は明確に「中国」を敵国として認識するようになっている。

昨今のアメリカと中国の動きを見ていると、世界が大きく二分化されていき、次の戦争はアメリカ陣営と中国陣営の戦争になるというのは誰もが理解できるはずだ。

こうした状況から、私はすでに今の時代は「戦後」ではなく「戦前」ではないのかと考えている。

この米中「新冷戦」はオバマ政権時代の2015年からすでに始まっていたが、この流れはトランプ政権となってから非常に明確になっていった。

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戦争は仕掛けられても始まる

トランプ大統領が再選されるのかどうかは、2020年8月の時点ではまだ分からない。もしトランプ大統領が再選されると、米中新冷戦はますます過激なものになっていき、最後には決定的な「衝突」となって現れるはずだ。

もしバイデン政権になったらどうなるのか。バイデンはすでに中国から金をもらったりして中国に取り込まれてしまった政治家なので、中国に媚びへつらって一時的には米中の対立は鎮静化するように見えるかもしれない。

しかし、中国の危険な体質は変わらないので、最終的にはアメリカは中国と大きな対立をせざるを得ない。アメリカの国力と国富を意図的に侵害していく中国に対して何もしないのであれば、バイデン政権が弾劾されるはずだ。

だから、基本的には米中の対立は消えることはないし、米中新冷戦がエスカレートしていけば、次に起こり得るのは「米中戦争」であっても不思議ではない。「次の戦争」は起こり得る。

アメリカと中国の対立と衝突は、全世界を巻き込む。もちろん日本も「次の戦争」に巻き込まれることを意味している。日本だけが戦争しないと決意しても無駄だ。仮に中国が軍事的な「何か」を仕掛けてきたら普通に巻き込まれる。

戦争は仕掛けて始まるのではなく、仕掛けられても始まるものだ。攻められたら、防衛しなければならない。

また、攻められると事前に知っていれば、被害を最小限に食い止めるために先制攻撃も必要となる。世の中はきれい事では動いていない。平和的で民主的な国だけで世の中が構成されているわけではない。

東アジアも例外ではない。

日本を憎悪する国は隣に3つもある。中国・北朝鮮・韓国。この3国とも常識も話し合いも通用せず、価値観など共有していないのは言うまでもない。

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米中共に、戦争は避けられないと言い始めている

中国は連日のように尖閣周辺水域での領海内・接続水域内を侵入しているのだが、最近は中国漁船が軍艦と共に行動するようになっており、尖閣諸島を奪う意図を隠さなくなってきている。

中国は南シナ海でも領有権を主張して南沙諸島に勝手に基地を建設しているのだが、この中国の横暴に、ブルネイ・マレーシア・フィリピン・ベトナム・台湾・オーストラリアが激しく反発している。

しかし、中国は折れない。南沙諸島を勝手に海南省の中に組み込んで、それ以来、南沙諸島は自分たちのものであると宣言して、反発する国々に対して毎日のように恫喝を繰り返しているのである。

2020年7月、オーストラリアは「中国の南シナ海領有権主張には法的根拠はない」と正式に表明しているが、中国はこれに激怒してオーストラリアに対して「報復する」と宣言している。

こうした動きの中で、中国は香港を「香港国家安全維持法」で事実上の支配下に置いて、香港の一国二制度は完全に瓦解させてしまった。

香港は自由貿易センターであり国際金融センターの拠点でもあった。中国はそれを叩き潰して香港を殺してしまった。香港の一国二制度を平然と叩き潰すのであれば、次には台湾も叩き潰されるかもしれない。

もはや中国の横暴は許容できないところにまで到達している。

そんな中で、アメリカと中国は互いに相手を激しく敵視するようになっており、アメリカの識者も「中国との戦争は避けられない」と公然と言うようになってきた。

東アジアを巡る情勢は刻々ときな臭いものになっている。

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「米中の戦争勃発確率は75%」「限定的な核戦争も起こる」

米シカゴ大のジョン・ミアシャイマー教授は、早くから「アメリカと中国は激しく対立する」と言ってきた国際政治学の権威だが、最近ミアシャイマー氏はこのように言いっている。

「米中の戦争勃発確率は75%」
「限定的な核戦争も起こる」

そう言えば、ジョージ・ソロスも2015年あたりから「米中戦争が始まる」と主張していた人物である。「このままではアメリカと中国が激しく対立し、最終的には全面戦争になる可能性がある」とソロスは述べていた。

「米国の軍事同盟諸国、たとえば日本と中国との間に紛争が発生したとすれば、第三次世界大戦が始まるといっても、過言ではないだろう」

アメリカは中国の総領事館を閉鎖させ、中国もアメリカの総領事館を閉鎖させ、対立はどんどんエスカレートしているのだが、これからも米中の対立は様々な部分で引き起こされて亀裂を深めていく。

それこそ、アメリカが中国が勝手に作った南沙諸島で人工島の基地を爆撃して、いきなり戦争が始まっても不思議ではない事態となっているのだ。「米中の戦争勃発確率は75%」、「限定的な核戦争も起こる」ということだ。

戦後75年目に入った今、明らかに「次の戦争」が用意されようとしている。次の戦争の「戦前」となっている。

もう日本の平和ボケはいい加減に終わらせなければならない。広島や長崎で「核のない世界」だとか「世界の平和を祈ります」とか「非核三原則を堅持」とか言っている場合ではない。

中国は日本をも照準に合わせており、いかに日本が平和を祈ろうが何だろうが、お構いなく領土侵略を実行してくる。

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