これほど見事に牙を抜かれた民族が「まだ滅んでいない」ことに私は逆に驚く

これほど見事に牙を抜かれた民族が「まだ滅んでいない」ことに私は逆に驚く

日本人は「国家」のことを考えることもなくなり、愛国心を持つことに恐怖を持つようになった。おおよそ、愛国心を持つことに拒絶感を持つ国民など、世界中どこを探しても日本人くらいしかない。「国を愛する」という基本的なことすらもできなくなっているのだから異常極まりない。しかし、当の日本人はそれが異常だとも思わないほど精神性を奪われている。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

「精神的な部分」「軸となる思想」を徹底的に奪い取る

1945年。日本は戦争で大敗し、国土は空襲で焦土と化し、二発の原爆で軍港であった広島と長崎は壊滅的な破壊を余儀なくされた。1945年8月15日、日本はアメリカに占拠されて日本国軍は解体された。

その後、日本社会はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が支配することにあるのだが、この中でGHQは徹底的な言論検閲と共に、「焚書」を行っている。焚書とは文字通り、「書物を焼き捨てること」である。

GHQは、1928年から1945年に刊行された日本の書物・冊子・パンフレットのうち、「日本精神」「国体」に関わるものはほぼすべて焼き払い、日本から抹殺した。7769点ほどの出版物が世の中から消し去られた。

これらの出版物は日本精神が記されており、この出版物がある限り、いつか日本は復活する可能性があったからだ。日本が軍事的に復活することはアメリカにとっては好ましくないことであり、絶対に避けなければならないことだった。

強靭な国家として再生させないために、アメリカは根幹となる「精神的な部分」「軸となる思想」を徹底的に奪い取ることを決意していた。それが「焚書」であり、「検閲」だったのである。

出版社、書店にある「問題書籍」はすべて秘密裏に没収されて、次々と焼き捨てられた。これは1951年まで続いたのだから、いかに徹底的だったのかということが分かるはずだ。

この「焚書」を実行するに当たり、大学教授が焚書対象のリストを作り、警察が没収に関わり、文部省が管理した。GHQに支配された当時の日本は、日本政府と行政が日本の「精神」の破壊を行っていたということだ。

そして、どうなったのか。

戦後の日本は「日本精神」が何だったのか思い出せなくなり、軸を失ってバラバラになり、やがて国は浮ついたものになり、天皇陛下の写真を焼いて足で踏みにじるものを「芸術だ」と言って知事が税金で展示するような薄気味悪い国に成り下がった。

日本はGHQの目論み通り、「かつての日本人」ではなくなった。

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完全に「牙」を抜かれ、精神性を破壊されてしまった

今の日本人で、自分たちが戦後になってからGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に「作り替えられた」ということに気付いている人はまだ少ない。日本が再び軍事的に立ち上がらないように、GHQが徹底的に「牙」を抜いたことを知らない。

アメリカは焚書と共に検閲も行っていたが、この検閲を「プレスコード」と呼ぶ。日本の言論を隅から隅まで監視し、日本人が自虐するような記事のみを新聞社に書かせ、欧米や反日国家の横暴を報道させようとしなかった。

こうした記事を書かせるためにマスコミには莫大な反日志向の人間が入り込んだ。マスコミが反日志向なのは、こうしたところに原因がある。彼らは意図的に送り込まれ、日本人が「牙」を取り戻さないように世論操作し続けたのだ。

教育現場でも同じで、「日の丸反対」みたいな反日教師が次々と子供たちを洗脳にかかった。

この教師たちは「日本は悪い国、平和と平等、相手が怒ったら自分が悪くなくても謝罪」という教育で、子供たちが国を愛することができないようにし、日の丸に罪悪感を感じるようにさせた。

あげくの果てに子供たちの知能が向上しないように、「ゆとり教育」まで取り入れて教育劣化に突き進んだ。「ゆとり教育」は子供たちを劣化させるワナであったことは、いったい何人の日本人が気付いているのだろうか。

社会全体がこのようになった結果、日本人は完全に「牙」を抜かれ、精神性を破壊されてしまった。その結果、日本は今もなお闘争本能を失ったまま、自国で軍隊を持つことすらも恐れるような腑抜けの民族と化してしまった。

日本人は、世界中の誰よりも恐がりで、動揺しやすい繊細な民族となった。政治家もそうだ。国際的なトラブルが起きたら常に周辺国に謝罪し、賠償し、歴史プロパガンダや捏造にも反論しないで受け入れるほど馬鹿げたレベルに堕した。

今の日本の政治は、日本の国益を主張することもできないし、まして相手に報復外交を仕掛けることもないし、外交が決裂したら国交断絶するという決断すらもできないような「超」弱腰国家と化した。いかにGHQの焚書と検閲が日本人から牙を奪ったのか、その悪影響力は恐ろしいほどだ。

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日本がまだ滅んでいないことが私には驚きだ

戦後の日本人は日本人が持っていた日本精神を徹底的に奪った。日本人は完全に牙を抜かれた。そして闘争心も持てないようにされた。

ほとんどの日本人は「自分から奪われたもの」に気づいていないのだが、それはあまりにも洗脳期間が長すぎたからだ。

今の日本人が雰囲気に飲まれやすく、国を愛することを嫌い、対立を恐れるようになったのは、「そうなるように洗脳されたから」である。日本人は「国家」のことを考えることもなくなり、愛国心を持つことに恐怖を持つようになった。

おおよそ、愛国心を持つことに拒絶感を持つ国民など、世界中どこを探しても日本人くらいしかない。「国を愛する」という基本的なことすらもできなくなっているのだから異常極まりない。

しかし、当の日本人はそれが異常だとも思わないほど精神性を奪われている。軍隊を持たず、「アメリカに国を守ってもらう」ことに対して何とも思わないこと自体が、日本人の今の異常さを示している。

あるいは、中国や韓国や北朝鮮にいいように振る舞われて卑屈になっていることからしておかしい。中国は日本の各都市をいつでも破壊できるように核ミサイルの照準を合わせている。

にも関わらず、日本は「防衛のための核保有」を政治家も言えないし、国民も主張できないでいる。これほど見事に牙を抜かれた民族が「まだ滅んでいない」ことに私は逆に驚いている。

戦後しばらくは、まだ「自主防衛」「米軍基地全廃」「真の独立国家」を目指して日本を立て直そうと使命感を持って動いていた人物もいた。児玉誉士夫は、まさに真の愛国者だったと言える。

しかし、児玉誉士夫は「危険人物、腐敗した人物」と汚名を着せられて歴史から抹殺され、今もなお日本は「真の独立国家」になれないでいる。

そんな日本を嘲笑しつつ、中国・韓国・北朝鮮は虎視眈々と日本の侵略を進めているのだ。侵略されているのに、何も起きていないフリをしている日本人の姿を見ると、いったいどれだけ日本精神が破壊されているのかと恐ろしくなるほどだ。

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恐れを隠すために「平和主義」と言っているだけ

日本人は意図的に牙を抜かれ、闘争本能も失い、あまりに修羅場に弱い人種になり下がってしまった。

外交でもそうだが、周辺国に恫喝されたり、無理難題を押し付けられると、すぐに謝罪したり、賠償金を出したり、問題を先延ばししたり、相手の言うがまま折れたりするのだから、救いようがない。

周辺国との対立や衝突に恐怖を感じ、恐怖から逃れようと自分が折れる形で手を打つ。対立に自分が巻き込まれるのを極度に恐れ、戦う前からそこから逃げ出す。

国と国との条約や約束を破られても何もせず、侵略されても文句も言わず、政治家も国民も「見て見ぬフリ」を続ける。焚書と検閲で、戦前の日本人と戦後の日本人は、まったく違った民族になってしまったのだ。

日本の精神を奪われた今の日本人は、事なかれ主義でやり過ごし、過度に対立を恐れ、それを「平和主義」と丸い言葉で言いくるめて自分を納得させている。

憲法九条を守れというのも「自分たちは怖いから戦わない、逃げる、怖がる」というのをオブラートに包んで言っているだけで、実際のところは「平和主義」なのではなく「事なかれ主義」に堕しているだけだ。

日本人がもう昔の日本とは違って「精神性を失った」と中国・韓国・北朝鮮は気づいた。だから日本を獲りに来ているのである。実際、日本は恫喝されるとすぐにパニックになって、国益を損ねる形でも「何とか場を収めよう」とする。

現在の日本の社会問題は、すべてにおいて「精神性を奪われた」ことで起きていると喝破する社会学者が日本にいないのは不幸なことだ。

日本人は、一刻も早く洗脳から覚めなければならない。つまり、一刻も早く奪われた「日本人としての精神性」を取り戻し、敵対する相手や困難に立ち向かえる「牙」を持たなければならない。

日本人が再び「牙」を手に入れた時、日本社会は変わっていき世界も変わる。日本人は洗脳から覚める用意はできているだろうか?

『まだGHQの洗脳に縛られている日本人(ケント・ギルバート)』

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