アメリカが常に世界中で対立・紛争・衝突が起きることを望む3つの理由

アメリカが常に世界中で対立・紛争・衝突が起きることを望む3つの理由

第二次世界大戦後、長らく見せかけの平和が続いてきた。しかし、時代の空気が世界的に変わりつつある。

国と国との対立が次第に軋みを上げ、現代社会が対立の蔓延が拡散していることに気付く人が増えている。ここで言う「対立」とは、人間と人間の間の対立だけでなく、国と国との対立をも含んでいる。

アメリカと中国の貿易戦争は、一進一退を繰り返しながら方向的には「悪化」するばかりなのだが、これは民主主義のルールを守らずに他国から平然と知的財産の窃盗をする中国と、民主主義のルールを守らせようとするアメリカの「文明の衝突」でもある。

アジアでは、日韓基本条約も日韓合意もまったく守らず同盟国にレーダー照射するような韓国に対して、日本もいよいよ輸入規制をするようになっており、日韓関係はどんどん深刻化している。

中東ではアメリカとイランが一触即発の妥協のない対立を引きずっており、イスラエルとパレスチナは相変わらず泥沼の中にある。

EUも、国内が保守とリベラルに割れ、イギリスも脱EU派と親EU派が激しく対立して国そのものが分裂しそうな勢いになっている。

現代社会の「人と人のあり方」「国と国のあり方」に対立が起きている。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

「対立の時代」は回避できない

アメリカと中国の激しい対立はG20によっていったんは収束したかのように見えるのだが、その結末は誰にも予測できない状況である。一時的に休戦したかのように見えるだけで、実際には何も変わっていない。

北朝鮮の問題にしても同じだ。北朝鮮はどうしても非核化をあの手この手で回避しようとする可能性がある。そうであれば、「友情」によってアメリカから温情を受けている格好の北朝鮮はいつでも攻撃の対象になる。

対立の構図はまったく変わっていない。

日本と中国・韓国・北朝鮮の関係も同様だ。「価値観が違う」「特定アジア国家が反日で政権運営をしている」という対立の根がそのままである以上、いつでも対立はエスカレートする余地がある。

まるで、世界が時を同じくして「対立」に覚醒したかのように見えるが、これは一過性のものではなく、すべて後に尾を引くものであるというのが重要なところだ。

もうすでに「対立の時代」になっているのである。

本来であればここでこそ国連のリーダーシップが必要なのだが、今の国連はまったく何も仕事をしていない。国家間の対立に対して傍観しているだけで、その存在意義はどこにもない。

かつては「アメリカが世界の警察官だ」と言う時代もあったが、オバマ時代に「もうアメリカは世界の警察官ではない」と言い出して、トランプ大統領もアメリカの国益のためには他国にズケズケとアメリカの要求を押し通すようになった。

もうアメリカが世界の対立を調停する立場ではなくなっている。

そう考えると、「対立の時代」が平和な時代に転換するよりも、そのまま突き進んでいく可能性の方が高いということになる。そんな中で、私たちはどのように考えていきていけばいいのだろうか。

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最後に大きな衝突が起きるのは避けられない

日本はもうグローバル主義に巻き込まれているので、今後は否が応でも世界の混乱に関係を持つようになり「対立の時代」の中に入ってしまった。

言うまでもないが、日本の敵は中国・韓国・北朝鮮である。これらの国家は国内をまとめるために、外に敵を作り出さなければならない体質を持っているので、反日という「日本敵視」が止まることは決してない。

これらの国の一部の国民が「日本に親しみを感じる」とは言っても、政治が主導して日本を憎むように仕掛け、反日工作を次々と繰り広げているのだから、最後に大きな衝突が起きるのは避けられない。

アメリカも「日本が周辺国と対立するのを戦略的に好む」という事実は忘れてはいけない側面である。アメリカは「他国が常に何らかの対立をどこかの国と持っていること」を好む国なのだ。

その理由は3つある。

1つ目は、国家間の対立があることで、自分たちよりも強大になりそうな潜在的なライバルを周辺国との衝突でつぶすことができるということだ。

2つ目は、対立が衝突になると、どちらにも武器が売れることだ。世界最大の兵器産業を保有する国はアメリカである。アメリカは武器の輸出でも儲けているのだ。他国の紛争はアメリカの「飯の種」なのである。

3つ目は、両者をいがみ合わせることでアメリカに敵対する力を削ぐという点だ。アメリカは世界最強の軍事国家であるが、それでも全世界と物理的に戦うことはできない。そうであれば、他国をどんどんいがみ合わせておけば、他国がアメリカに敵対する余裕がなくなると考える。

もちろん、表ではさかんに協調が重要であるという発言が行われるが、アメリカの立ち回り方を見ていると、それは真意ではない。

アメリカは東アジアの対立構造を収束させるよりも利用する方向で立ち回っている。アメリカの政治力で平和を維持できると考えてはいけない。逆だ。平和を語りながら対立に導く。それがアメリカの「国益」だからである。

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対立の時代になれば、自分の立ち位置が重要に

第二次世界大戦が終わって形作られた「戦後レジーム」は金属疲労を起こして壊れる寸前になっている。それが今の世界の姿だ。

今後、意図的なものや偶発的なものも含め、対立構造はどんどん悪化していく。これが最後に大きな衝突へとつながっていく。

いつ、どこで、どのような形になるのかは分からないが、日本も深刻な衝突に巻き込まれていくのは必至だ。今はその途上にある。場合によっては、日本人もまた生死が問われるような事態に巻き込まれる可能性もある。

そうなれば、今の生活や日本の空気はガラリと変わっていく。

重要なのは、対立が深まれば深まるほど、社会は「敵」と「味方」の区別を有無を言わさぬ圧力で為していくということだ。日本政府もそうするし、敵対する相手国家もまたそうする。

相手国にいたら身柄を拘束される。関わりを持っていると、スパイ容疑にも抵触していく可能性もある。相手国への投資資金が没収されることもある。

そういった可能性が高まっているのだから、日本に敵対する国家に何らかの投資するというのは避けるべきであり、さらに敵対国家に投資したりする日本企業への投資も避けるべきである。

もちろん、敵対国に移住すべきではない。アメリカでさえ、日本と戦争時には日系人の財産を全部没収し、その多くを強制的に収容するという目に遭わせている。

自国に敵対する側に関わっていると、自分が敵対者であると認識され、財産も、権利も危うくなっていく、「対立の時代」が来るというのは、自分の立ち位置を間違うだけで命取りになる。

ここで言う「命取り」というのは、もちろん比喩ではない。(written by 鈴木傾城)

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アメリカも「日本が周辺国と対立するのを戦略的に好む」という事実は忘れてはいけない側面である。アメリカは「他国が常に何らかの対立をどこかの国と持っていること」を好む国なのだ。

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