日本政府は、少子高齢化を本気で解決しようとするつもりがまったくないので、日本の人口動態がこのまま進んでいけば、日本はどこの国とも戦わずして自滅していくことになる。
「人口が減ったら都会も満員電車の混雑が解消されてせいせいする」「日本の人口は8000万人まで減らせばいい」と無責任なことを言っている人間もいる。それは大間違いだ。
このまま超少子高齢化で人口が減っていけば、日本は30年以内に崩壊する。
それを知っていて「日本の人口は8000万人まで減っていい」と言っているのであれば、それは日本で最も悪質な人間だし、知らないでそう言っているのであれば無知も甚だしい人間である。
日本は人口をどんどん増える国に変える必要がある。人口を二倍にしなければならない。それが実現したら、日本は奇跡の復活を果たす。(ダークネス:日本の人口を2倍へ!「多子化家庭を目指す」と宣言する政治家を支持する)(鈴木傾城)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)
人口減少によって労働力が不足する
しかし、日本政府はまったく日本の根幹を揺るがす「超少子高齢化」について危機感がない。国民もほとんど何も考えていない。
政府・官僚・国民が揃いも揃ってこの問題を先延ばし・事なかれで対処しているので日本の危機は深刻化するばかりだ。
人口が減っていき、内需が縮小し、不動産の価値も地方から急激に価値を失っていくのに、企業も投資家もまるで何も起きていないかのように現状をやり過ごして、日本社会が悪化していくのをただ手をこまねいて見ているだけだ。
社会保障費の増大、消費税の引き上げ、介護問題、企業の人手不足は、すべて少子高齢化を放置したことによって起きているのに、誰もこの根幹部分に危機感を持たないのだから日本人はどうかしている。
ただ、日本企業は「このままでは人口減少によって労働力が不足する」ということが分かっているので、この部分について政府に「何とかしろ」と要求を出している。
人口減少を見越して政府に要求を出しているとは言っても、日本企業は日本の将来を憂いているわけではない。
彼らはただ単に「労働力が不足すると自分たちの事業が回せない」という一点だけを心配しているわけで、日本のためを思って政府に「人口減による労働力不足を解決せよ」と言っているわけではないのだ。ここに注意すべきだ。
それで日本政府はどうしようとしているのか。
政府は日本人の人口を増やすことはまったく考えず、外国人を大量に受け入れることで対処しようとしている。これが、2018年11月2日に閣議決定された「出入国管理法改正案」である。
これは「単純労働を含む外国人労働者の受け入れを拡大する」ものであり、事実上の移民受け入れ政策であるのは間違いない。「人口が減って労働力が不足するのであれば、外から連れてくればいいではないか」というのが政府の答えだったのだ。
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「国が乗っ取られる」という問題
外から安い労働者を大量に連れてきて単純労働させるのを「多文化共生」というきれい事の言葉で言いくるめて国を揺るがす問題になってしまったのがEU(欧州連合)である。
「移民を安くこき使えば、自分たちは楽になる」と彼らは思った。しかし、移民たちは先進国に家族・親戚・友人を片っ端から引き込んで続々と人口を増やしながらひとつのエリアを占拠していくようになった。
そして、自分たちの文化を押し通し、受け入れ先の文化を蹂躙していくようになっていった。
それを批判する人間がいたら「差別主義者だ」と糾弾して黙らせて、どんどん自分たちのエリアを拡大していき、それによって期せずしてその国を占領したも同然の状況になったのである。
そして、EU(欧州連合)では多文化共生や移民・難民の受け入れに大きな反撥が生まれるようになっていき、政治や社会が動乱するようになっている。
「単純労働を含む外国人労働者の受け入れを拡大する」というのは、後々に「国が乗っ取られる」という問題が引き起こされることになるというのは、行き過ぎた多文化共生を進めたEU(欧州連合)を見れば誰もが分かる。
ところが、日本政府はそれを尻目で見ながら、何の問題意識も持たずに「出入国管理法改正案」を閣議決定して、事実上の移民受け入れ政策を推し進めようとしているのである。
日本人はこの問題にもまるっきり無関心だが、もし無関心のままでいるのであれば、将来自分たちの給料が25%下落しても騒ぐべきではない。
一橋大学経済研究所の所長を務める小塩隆士氏は、以前に経企庁が編集協力していた広報誌「ESP」にひとつの論文を寄稿している。それが『外国人労働者問題の理論分析』というものである。
この論文によると、大量の移民が日本に入り込んだ場合は賃金は次のように変化すると試算が為されている。
『50万人の外国人労働者が流入すると単純労働の賃金は13.82%減少する』
『100万人の外国人労働者が流入すると単純労働の賃金は24.24%減少する』
このまま大量の移民が入り込むと、賃金は24.24%減少してもおかしくない事態が起きるのだ。
では、日本政府は、どれくらい移民を受け入れるつもりなのだろうか。『外国人政策研究所所長の坂中英徳が提言し、自民党国際人材議員連盟に属する国会議員により計画されている政策』として、以下の数字が提唱されている。
1000万人……。
100万人どころではない。1000万人である。
少子高齢化は放置され、移民が1000万人入り込み、賃金は24.24%は確実に減少していく社会。それが日本の未来であることを、今の日本人はきちんと把握して生きているのだろうか?(written by 鈴木傾城)
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フランスを覆い尽くしたイスラム系移民たち。「単純労働を含む外国人労働者の受け入れを拡大する」というのは、後々に「国が乗っ取られる」という問題が引き起こされることになるというのは、行き過ぎた多文化共生を進めたEU(欧州連合)を見れば誰もが分かる。
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日本政府は今、単純労働を含む外国人労働者の受け入れを拡大しようとしている。ところで、経企庁は以前に次の試算を発表したことがあった。『100万人の外国人労働者が流入すると単純労働の賃金は24.24%減少する』今後、賃金は24.24%減少する方向で考えた方がよさそうだ。https://t.co/XJwtnVlJTu
— 鈴木傾城 (@keiseisuzuki) 2019年5月6日